家具生む体育館 札幌の須田さん 旧東裏小に工房
【当別】札幌市東区で注文形式の木工家具作りを手掛ける須田修司さん(38)が11月、
町内東裏の旧東裏小体育館に工房を移す。今年3月の同校閉校後、校舎活用について話し合
ってきた地域住民は、移転を歓迎。須田さんは「楽しめる家具屋にしたい」と準備に汗を流
している。
須田さんは長野県出身。大学を卒業後、大手カメラ製造会社に入社し、カメラ開発者として
活躍した。28歳で退社し、旭川の高等技術専門学院で2年間、家具製作の研修を積んだ。
その後、家具会社などの勤務を経て、2006年に独立した。現在、札幌市東区の倉庫で
家具工房「旅する木」を営む。デザインコンテストで入賞経験のある須田さんの家具は、
木の素材を生かし、温かみがあるのが特徴だ。
日ごろ、家具を作り、売るだけの工房でなく、木と親しめる憩いの場にしたいと考えていた
須田さんは昨年、夢を実現するための新たな場所を札幌近郊で探索。旧東裏小を見つけ、
町の関係者に利用を打診していた。
体育館は木造で、広さ約320平方メートル。須田さんが町から有償で借り受け、住宅も
近くの旧教員住宅を利用する。新工房は家具の製作場所に加え、子供が木の玩具で遊べるス
ペースも併設。将来は木工教室も開く予定だ。
東裏地区のまちづくりに取り組む当別町田園文化創造協議会の大塚利明会長は「とても期待
している。地域活性化につながれば」と歓迎。須田さんは「美しい風景の中での家具製作は、
札幌でやるよりも付加価値がある。一日も早く当別に恩返しがしたい」と意気込んでいる。
(郡義之)
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