街角クリエーター 家具の物語紡いで
世界に一つだけのオーダーメードの家具を生み出す、家具職人の須田修司さん(38)
3年前に札幌市東区で『家具工房旅する木』を立ち上げ、木製家具のデザイン、制作を
手がけている。
「愛着を持って使ってもらえるよう、お客様と一緒に家具のストーリーを紡いでいく
のが僕の仕事」話す。
長野県出身の須田さんは、大学を卒業後、カメラ会社に就職。利便性だけを追求する
世界に疑問を感じ、「人のサイズに合った物作りをしたい」と、家具職人の道に飛び込
んだ。大学時代に、家具を自作した事もある須田さんにとって自然の流れだった。
工房を見渡すと、木の特徴を生かした家具やクラフトが並ぶ。ベーシクなテーブルや、
椅子など、どれも飽きのこないシンプルなデザインが中心。そこには、「一生使ってほ
しい」という須田さんの思いが込められている。また、アメリカ人の顧客からの依頼で
誕生した”NYシリーズ”では、木と金属を融合させ、新境地を築いた。
そんな須田さんが11月、新たなスタートを切る。3月に廃校となった当別町東裏小学校
の一部を借り、工房兼、ギャラリーを開くのだ。いずれは木のおもちゃで遊べるスペース
や、地元食材を使ったレストランも設ける予定という。「週末に、家族やカップルでふら
りと立ち寄れる場所にしたいですね」。大人から子供まで魅了する、木のぬくもりに満ち
た空間の誕生が、今から楽しみだ。(星野はるな)
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