『家具工房旅する木』は豊かな「暮らし」、「心」、「時間」をご提案、ご提供します。
つむじ風通信実は、学生の頃シナリオライターになりたくて、新聞社のコンペに出展していました。
箸にも棒にも引っかかりませんでしたが‥
文章を書くのは好きなので、妻のそよかぜ通信とともに、日常でのちょっとした出来事を
載せていこうと思います。なんちゃってシナリオライターにお付き合い下さい。
先々週から今日まで、札幌デザインウィークのイベントの一つとして、
”北海道の木工作家による木の椅子展”という展示会を『ギャラリー創』という
ギャラリーで行われ、僕も『アームチェアー501』を出展していました。全道から20人もの作家さん達が自作の椅子一脚を出展しました。椅子は家具の中で
最もその人の個性が表現されるものなので、20脚20様で、とても見応えと、面白さが
あり、参考になりました。先日、その中のイベントで、作家が自分の椅子について語るプログラムがあって、
参加させて頂きました。家具デザイナー中村昇氏によるトーク会もあり、60名程が
会場に来ていて、その中での発表はちょっと緊張しました。最初の方に発表した方はさらっと一言くらいで済んでいたのですが、あいにく、僕は
一番最後だったので、中村さんや、建築家の宮崎正之氏のするどいつっこみに合い、
なんという貧乏くじ‥と思いながらも何とか乗り切りました。
最後に宮崎さんが僕の椅子に対して、「この椅子の中で、一番気に入って、買いたい
と思う椅子です。7万円くらいにしてくれたら‥」と言ったところで、
全国的に有名な家具作家の高橋三太郎さんが、「この椅子は高くありません!(笑)」と
横やりを入れてくれた大御所の3人のやりとりが、僕にはとても自信になり、嬉しかったです。その後、立食パーティーがあったのですが、いろんな家具作家さん達と知り合い、
今後も交流、協力する約束が出来、とても力強い仲間を得た気持ちになりました。北海道だけでもこんなにも家具作家さんがいて、みなさん頑張っているのを
目の当たりにして、まだまだかけ出しの僕は、もっともっと何倍も頑張らなきゃなぁ。
と熱い気持ちになりました。
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先日、お客様のお宅へ家具の取り付けに行ったところ、札幌の山の中腹にあり、
紅葉が真っ盛りで、とても綺麗でした。
札幌は今週がピークですね。先月から年末に掛けて、ありがたいことに、本当に忙しく仕事をさせて頂いています。
昼間製作して、夜打ち合わせ、家に帰ってからもデザインや、図面などをやっていて、
なかなかそよ通、つむ通の更新が滞っていてごめんなさい‥。
最近工房に頻繁に、木工の仕事に就きたいと考えている方、すでに就いていて、
その中で悩んでいる方、自分が本当にやりたい事を探している方、などの若い人達が
来てくれます。
僕の経歴がちょっと変わっている(?)からなのか、HPを見て連絡をくれるのです。今の僕はまだまだ力にはなれないし、偉そうなことも言えないので、話を聞いて、
僕が人生の岐路に立った時に感じたことを正直に話すだけしか出来ないけれど、
それでも何かを感じて、笑顔になって帰ってくれます。目先のことを考えると、ちょっと沈んでしまうこともあるけれど、
もっと先の、光り輝く夢のことを思うと、とても元気が出てきますよね。
”夢”で膨らんだ飛行船のように。僕の夢=『家具工房旅する木』の将来の大きな夢があるのですが、
今日交差して、明日はまたそれぞれの道を歩むことになるけれど、その中でお互いに
頑張って、いつかまた、それぞれの夢を実現する過程で、交差する事が出来たら
本当に素晴らしいね。と言って別れます。家に帰って妻に、「今日こういう人が来てさぁ‥」と話すと、「男は夢を語って満足出来る
かも知れないけど、女の人(奥さん)は、『とりあえず今日の夕飯どうする?』って考えるのよね。」
と、ちょっと高揚冷め止まぬ僕を撃沈‥確かに、”空腹”と”何もしない時間”は心を沈めるよな。「ところで、今日の夕飯何?」と
すっかり夢の飛行船が、紙飛行機になってしまうのです。
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近々、UPする予定なのですが、ダイニングセットをご注文頂き、先日納めてきました。
椅子も新規に製作したのですが、椅子は見た目だけでなく、座り心地がとても重要なので、
新作の場合、何回も試作を繰り返します。上の写真は全て試作したものなのですが、図面を書いて、試作しては見直して、
図面を修正して試作して‥。座ってみて座面の角度を1度ずつ変えて、
それぞれについて、その都度背もたれの角度も1度ずつ変えて座って‥
を繰り返すので、全部で20回くらいのバージョンを試すのです。
そのうち何がなんだか解らなくなって、元に戻したりするので、実際には
その倍くらいやってるんですかね?そんなこんなでやっと完成した椅子を納めたお客様から「今まで食事が終わったら
すぐにテレビのある部屋に行ってテレビを見ていたのに、作って頂いたテーブルと椅子が
来てから、食事の後、しばらく座って家族でお茶を飲みながら雑談するようになりました。」
というメールを頂きました。家具って、ものとしての役割だけでなく、家族のコミュニケーションだとか、ライフスタイル
といったものにまで影響を持つんだなぁ。それってすごいことだなぁ。と、とても嬉しくなりました。
何十回も試作を繰り返した苦労が報われた気がしました。この試作した椅子、今はちょっと邪魔なんだけど、捨てるに捨てられず、飾るにはみすぼらしくて、
どうしようかなぁ?と考えつつ、昼休みにお弁当を食べる時に座っています。
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先日、『世界を変えちゃう、おもしろ企画』で、ご夫婦と、小学一年生の
女の子のご家族がmy箸を作りに来てくれました。
奥様とお子さんは”わらしべお箸”で、たくさんのウエスを持ってきてくれて、
一生懸命仕上げと、面取り、塗装をして、ご主人は日曜木工を楽しんでいらっしゃる
と言うことで、カンナを使って最初の行程から作って頂きました。3人共、樹種を変えて、ご主人はウォールナット、奥様はチェリー、お子さんはメープル
で作ったのですが、樹種の違いだけではなく、それぞれに個性のあるmy箸を、楽しく
作っていました。次の日、メールを頂き、ご自分はもちろんのこと、奥様とお子さんが「楽しかった!」を
連呼していたと、伝えてくれました。そして、僕を驚かせたのは、なんと‥せっかくmy箸を作ったのだから、箸箱を作ろう!という事になったようで、
「日曜日に作りました。」と写真を添付して下さりました。ちゃんと3つ。楽しさと、ワクワクで満たされて産まれてきた事が伝わってくる、なんともあじのある箸箱に
僕自身、しばらく見とれてしまいました。味気ない量産の家具が多い中、せっかく僕に作らせてもらえる機会を与えて下さっているのだから、
何が違う?って、そういう目に見えないけれど、伝わってくる何かが違う!というものを
作っていこう。そして、その差はすごく大きいんだろう。ということを信じて、これからも
楽しく、ワクワクしながらもの作りに励んでいこう!と思いました。奥様は、洋裁が趣味で、当日、ご主人が来ていたTシャツも奥様が作られたそうで、
いつも着ているのであろう、着こなし感のあるそのTシャツに『豊かさ』を感じました。
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月日が流れるのはあまりに速くて、びっくりします。今日から10月です。
全国の天気予報を見ていると、まだ本州の方は30度とかいってるんですね!
北海道はさすがに20度くらいですが、テレビでは、スタッドレスタイヤや融雪関係の
CMが流れているんですよ。それにしても、秋の空はどうしてこんなに高くて、きれいで、寂しげなんでしょうかね?
寂しいと思うのは、冬の気配というか、匂いを感じるからなんでしょうね。
夕方の月なんて、本当に綺麗で、仕事帰り、運転しながらつい見とれてしまいます。ちょっと寒くなりかけた、この時期の月が、僕は好きです。このなんだかもの寂しい感じも
一人で運転していると、以外と心地よかったりするんですよね。
”時計〜moon”もこの季節の月を見て思いついたものなんですね。
今日はちょうど半分くらいの月でした。月を見ていると、昔の友人と交わした会話を思い出します。
「月って、以外と近いんだよ。歩いていこうと思えば行けるんだよね。」
その友人は山男で、国内、国外のいろんな山を登って来た人なんですね。
あまりに山に夢中になっちゃって、せっかく入った超一流大学を中退。僕と会った時、彼は自宅に
テレビもなければ、ガスも引いていない。あるのはたくさんの本とギター、という生活をしていました。
「人が歩く速度はだいたい時速4キロ。一日8時間歩いたら32キロ。365日毎日歩いたら
およそ1万2千キロ。地球から月までの距離は38万キロだから、30年ちょっとで着くんだ。」って。僕が想像もしたことのない考えと、彼独特のスケール感に、ハッとさせられたのを思い出します。
「でもさぁ、そう聞くと、月が身近になったのか、かえって遠くなったのかよく解んねえよ!」
と言って笑いました。今改めて考えると、この会話を聞いて、月が近くに感じるか、より遠くに感じるかって、
その人が歩んできた人生によるんだろうなぁ。と思います。そして僕は、未だによく解らない‥。
でも、この会話を聞いて、”月が近くに感じる”という生き方をしたいなぁ。と思っています。----------------------------------------------
『お知らせ』先日、キッチンを製作させて頂いたお客様からお電話を頂きました。
「製作して頂いたキッチンがテレビに出るんです。インタビューもあるかも‥」という。
特に「旅する木」の名前は出ないのですが、北海道にお住まいの方、お時間があれば見てみて下さい。
HBC Hanaテレビ 10月4日だそうです。
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旭川の家具会社で、cosine(コサイン)という会社、ご存じの方も多いと思います。
かわいくて、センスの良い家具や、クラフトを作っている会社です。そのコサインから仕事を依頼され、ウォールナットの大きな座卓を作ったので、先日、
納品がてら、行ってきました。コサインには、知り合いの職人さんが何人かいて、挨拶しながら工場を見させてもらったのですが、
家具やクラフトの加工途中のパーツが何十個と重ねられていて、さすが全国区の会社だなぁ。と、
思いました。僕のように注文家具として一点ものを作るのも、その都度違う技術や、納まりが必要で、
製作過程で、上手くいくか、とか、狙い通りちゃんと納まるかなど、不安と緊張なのですが、
この様に量産工場は、何十ロット全てが一定の基準を満たさなければならない。というもの
すごく難しい技術なんだろうなぁ。と感じました。
特に相手が木なので、反ったり狂ったりするので‥。それにしても、若い職人さんが多い職場で、いつも広い倉庫に一人で仕事している僕には
羨ましい環境でした。旭川を離れて3年しか経ってないのに、住宅地や道路がすごく変わっていて驚きました
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最近、息子が掴まり立ちをするようになりました。
なので、棚に置いてある物などは散らかされ放題。
手当たり次第、とりあえず口に入れて、美味しくないと判断した物はポイ!
歯も上2本、下4本がはえてきたので、気づくと、なにやら食べているんです。先日、工房の事務所で遊ばせながら、僕が家具のデザインを考えながら
スケッチブックに夢中になっていると、下の方で「ガリッ、ガリッ」と音が‥
見てみると、事務所に置いてある、”ちぎりなベンチ”にかじりついているのでした。掴まり立ちをすると、ちょうど口の高さで、ついパクリッなんでしょうね。
家で使っている、娘に作った椅子も「ガリッ、ガリッ」。
あわてて離らかせて、遠くに連れて行っても、ハイハイでやってきてカブリッ。
そんなに美味しいのかい?旅する木の家具は、塗装のオイルにもこだわっていて、環境王国、ドイツから輸入していて、
口に入っても安全なオイルで塗装してあるので、心配ないのです。長いこと毎日、木を触っているけれど、そういえば噛んだり、口に入れる事って
ほどんどないなぁ。
昔、”五感で感じる家具シリーズ”などと名付けた遊びで、引き出しの底板の下にラベンダーの
ポプリを仕込んだり、ハーモニカを細切れにしたものを引き出しに埋め込んで、引き出しの開閉で
音がする家具(これは工房に置いてあって、皆さん驚かれるのを楽しみに見ています)を作ったり
していました。
唯一、出来なかったモノが、”味覚”を感じる家具。”かつおぶし”で作ろうか?などと真剣に考えました‥。ところが、赤ん坊は、視覚ではなく、真っ先に味覚で家具を感じていたんですね。
これからも、”美味しい家具”を作っていきます。
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半年以上前でしょうか?「栗の木で”くり”を作って頂けますか?」というお電話を頂きました。
???でした。詳しくお話しを聞いてみると、亡くなられたおじいさまが、戦争から無事に帰ってこられた時、記念に植え、
大きく育った栗の木を、リフォームでどうしても切らなければならなくなってしまい、困っていたところ、
お孫さんのアイデアで、その栗の木で、”栗”を作って、兄弟姉妹で一つずつ、形見として持っていよう。
ということになり、そのようなことが出来そうな家具屋さんを捜していると言うことでした。僕は家具は作れるけど、彫刻師ではないので、ちょっと、いや、かなり自信がなかったのですが、
「出来ますか?」と言われるとつい、「出来ます!」と言ってしまって後で後悔するタイプなのです。今回も、引き受けてしまったものの、どうしよう‥。とりあえず乾燥させなきゃいけないから、
半年くらいはほっておいてその間に考えよう。とほっておいたところ、月日が過ぎるのは早いもので
アッという間に半年が経ってしまいました。スケッチブックに栗の絵を描きまくっては、「これは饅頭(まんじゅう)だな。」「これじゃぁ温泉マーク。」
などと試行錯誤しながら、形見に相応しい”栗”を導き出しました。
それからが大変!!全部で5コ作るのですが、ほぼ同じ形になるように削っては磨いて、比べて、削っては磨いて
比べて…。やっと完成したのですが、小学校の時の漢字練習なんかで、同じ漢字を何度も書いていると、
なんか変な字に見えてくることってありませんか?そんな感じで、なんか微妙な形に見えて来ちゃうんですよね。そんな半分不安な気持ちでお見せしたら、大変喜んで下さり、ホッとしました。それからしばらくして
お電話があり、「栗を作ってもらった○○ですけど‥」の言葉に、ドキッ!今度は何だろう?「おばあちゃんの着物で栗の座布団を作って、ケースも作って、レーザーで『おもいでの栗』というプレート
を作って、飾ったらあまりにも素晴らしくて、可愛くて、兄弟みんな大喜びしています。是非見て頂きたい!」
と、工房までわざわざ見せに来て下さったのです。可愛い座布団の上にちょこんと座った栗がなんとも
愛くるしく、ご家族でおじいちゃんの木を、なんとか残したい。という思いと、その思いが形になったという
喜びが伝わってきて、僕もその思いに携われたことを、とても嬉しく思いました。『おもいでの栗』‥僕にとってもまた、『おもいでの栗』になりました。ありがとうございました。
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このお盆休みは、妻の実家の富良野で過ごしました。
一昨日、14日の晩、流れ星が見られるかな?と空を見上げたら、びっくりする程の星の数…
北の空から南の空まで流れるような天の川、夏の夜空に浮かぶ有名な星座たち、
そんな星達に負けるものかと輝こうとする数万の星たち。娘と道路のアスファルトの上に寝転んで空を見ていました。昼間35度を超える猛暑だったのですが、
夜は余熱の残ったアスファルトの上がとても気持ちがよかった。さすがメロンの美味しい富良野…
『北の国から』のロケ地がすぐそばなので、昼間は交通量の多いこの道も、夜はほとんど車が通らず、
安心して寝転んでいました。ペルセウス流星群の接近のお陰で、2、3分おきぐらいにスーと夜空をカッターで切るように流れ星が
流れてくれて、娘と、「次こそは願いごとを3回言おう!」と準備しているのですが、
いつ、どこで流れるか判らない驚きと、その一瞬の可憐さに、いつも「アッ」とか「オッ」としか
言えずに、そのつど娘と興奮していました。娘が、「すっごいゆっくりな流れ星がいる。」と指した指の先に、確かにゆっくり流れている星が…。
なんの事だと思いますか?そう、人工衛星です。「じんこうえいせいって何?」という娘の質問に、
「天気予報とかで雲の写真とか写るでしょ?あれを送ってくれているんだよ。」と説明しながら、
「人類は星すらも作ってしまったんだなぁ。」と思いました。それでも、回りを畑で囲まれた、たいした灯りのない暗闇の中で星空を見ていると、昔の人もこんな風に
降ってきそうな星の群れを眺めては、流れ星に驚き、感動して、願いが叶うんじゃないかと、
ワクワクして待っていたんだろうな。と、変わらない悠久の時も感じました。北海道では珍しい、灼熱の日の夜、満点の星空と、それを切り裂く流れ星を、都会に帰った後も
娘の心に残って、ふっとした時に思い出してくれればなぁ。と余計なお節介と知りながら、
思ってしまうのであります。
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『人生にはふたつの生き方しかない。ひとつは、奇跡を何ひとつないとして生きる生き方。
ふたつめは、すべてが奇跡であるとして生きる生き方。』
アインシュタインの言葉です。先日UPした”PCデスク”を注文下さったお客様から、最初に頂いたメールに
「PCデスクを考えているのですが‥」という内容で、リビングの写真が添付されていました。その写真を見てビックリ!
僕が旭川で修行していた会社のダイニングテーブルと椅子が写っているではありませんか!
しかも、何十セットも生産されたうちのたった1セットだけ、他と違った特徴のある作り方を
したものがあって、それはまさに僕がすごく苦労して作ったもので、それが写っていたのです。工房へ来られた時、その話を聞いてみると、ご主人は僕の経歴を見てメールしたわけではなく、
いろんな家具屋さんを回ったりしても、気に入ったものが無く、ネットで探していてたまたま
『旅する木』のHPにたどり着いてメールをした。ということでしたので、この奇跡の出会いに
お互いにビックリしていました。こんなことってあるんですね。納品の時、数年前に作った家具に再会して、そしてその椅子の
座面の張り替えもさせて頂くことになりました。この椅子を作っている時、ちょうど今頃の暑い夜だったなぁ。なかなか上手くいかなくて、
気分転換で夜の12時くらいにラーメンを食べに行って、椅子のことを考えながら
コショウをかけていたら、いつの間にかコショウが山盛りになっちゃってたんですね。
ビックリするくらい山盛りに‥。
何年も経って、いい色に焼けて、大事に使われている自分で作った家具に再会して、あの時の
ラーメンの味を思い出しました。先頭の言葉ですが、続きがあるんですね。『私は後者を信じる。』
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僕の作る家具や、クラフトの塗装は、無垢(むく)の場合、大抵オイル塗装なんですね。
もちろん、環境、身体に優しい、植物から抽出したオイルを使っています。
口に入っても安心なんですよ。刷毛でたっぷり塗って木に染み込ませて、ウエスで拭き取るんですが、
このウエス、家族のいらなくなった洋服や、下着なんかを使っています。
家族と言っても大抵、育ち盛りの娘のものが多いのです。洋服をハサミで適当な大きさに切って使うのですが、段ボールの箱から
取り出すと、「なつかし〜!むかしよく着てたな〜。」なんてそれを着ていた頃の娘の姿や、
出来事なんかを思い出して、懐かしくなってしまい、なかなかハサミを入れられないのです。
「これは取っておこう。」なんてまた段ボールにしまったりして‥。
取っておいたって仕方がないんですけどねぇ。そのことを娘に話すと、「じゃあ、パパの代わりに切ってあげようか?」なんて
以外とあっけらか〜ん。「最後の最後まで役に立ってくれてありがとねぇ。」と言いながら、今日も、
懐かしい思い出のトレーナーで、注文頂いた学童机のオイル塗装をしました。追伸
僕のパンツは使わないようにしていますので。ご安心を‥。
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上の写真は、木を削った時に出る木くずを吸い取る機械で、大きなビニール袋に
木くずが溜まっていくのです。以前、木にはそれぞれ独特の香りがある話をしましたが、色もそれぞれ固有の色を持っています。
『旅する木』の家具や、クラフトは、木そのものの色を大事にしたいと考えており、
設計事務所や、建築家から依頼、指定されたもの以外は、木に着色しないようにしています。僕は主に、ナラ、ウォールナット、アメリカンブラックチェリー、メープル、タモ、ブナなどの
材料を頻繁に使うので、木くずが溜まるビニール袋には、それぞれ削った時にでる木くずが
地層のようになって溜まっていくのです。
この地層ならぬ、木層で、「この時はあの仕事をしたんだな。」とか解るのです。さらに研究?していくと、面白いことに、色や、香りだけでなく、同じ機械で削って出た
木くずの形にもそれぞれ特徴があるんですね。ということに、最近気が付きました。
細か〜くなるもの、くるくると丸くなるもの、小指の爪くらいの大きさになるもの、などなど‥。
きっと、木の堅さや、導管の密度などによる特徴なんでしょうね。木くずの話題なので、ついでなのですが、作品を作るために木材屋さんから材料を買うのですが、
その時はもちろん、表面はざらざらしたままで、両端には大抵割れが入っています。反りもあるので、
割れた部分を切り落として、ざらざらの表面を平らに削って、反りがなくなるまで削ったりします。
曲線のものは初め、四角の状態で墨をして、切り落としていくので、大雑把ですが、
材料屋さんから買った時の体積から、実際に製品になった時残っている体積は半分くらいなんです。
材料屋さんからは、体積計算で買うので、考えてみると半分は捨てているんですね。袋に溜まった木くずで、何か作れればいいのですが‥。たま〜に、ガラスを磨く(?)為に使うといって
もらいに来る方にあげたりしているくらいで、ほとんどお金を出して捨てているんですね。
何か、アイデア募集中で〜す。*********************************
本州では大雨で、大きな被害が出ているそうですが、
ここ北海道は気持ちの良い日が続いていますね。工房も朝から全ての窓全開で
気持ちの良い風を感じながら、仕事しています。僕は、夜遅くまで仕事をするのが好きではないし、集中が切れると怪我をする可能性も
高くなるので、最近は朝早くから、今日は朝5時くらいに工房に来て、仕事をしています。
朝は気持ちがいいですね。なんだか得した気分になります。昨日、まるスツールを注文下さったお客様のお宅に、納品に行ってきました。
あいにく、気に入って注文して下さったご主人が留守で、奥様に渡して来たのですが、
今日、ご主人からお電話を頂き、「やっぱりいいですよ〜。すごく!」と、嬉しい
言葉を頂きました。そして、「こんな事言うと変に思われるかも知れませんが、
うちの奥さんは、”気”を敏感に感じるんですよ。彼女がスツールに手をかざしたら、
手が変になってしまったと思うほど熱くて、僕もやってみたら、確かに熱い”気”を感じる
んですよ。」と話してくれました。僕は鈍くて”気”をあまり感じられないのですが、”気”とか、”波動”とかにとても興味
を持っていて、昼休みに関連した本なんかを読んだりしているので、自分の作った物に、
その様なエネルギーが宿っているということが、とても嬉しかったのです。どういう訳か、僕のお客様には、”気”を感じられる方が多くて、『木のキッチン』を
納めた奥様も、「拭いていると”気”を感じて元気が出てきます。」とおっしゃってくれました。また、もうすぐ完成しそうなのですが、半年ほど前からある女性のお客様が、昨年開業した、
産婦人科の開業祝いにプレゼントを、ということで、その建物をモチーフにした時計とカレンダーを、
時間がある時に工房へ来られて、僕と一緒に作っているのですが、その先生が、”気”を使った
治療などもしているということで、「完成した暁には、○○さん(僕のこと)も飛ばされてみて下さい。」
とおっしゃっていて、密かに楽しみにしているのです。ちょっと話が逸れてしまいましたが、量産の家具ではなく、注文を頂いてから一個一個、納めた時の
喜ぶ顔を想像しながら作っているので、自然と”気”が込められるのか、たまたまなのか‥。
あいにく、自分は敏感な方ではないので、とにかく、丁寧に、妥協せず、喜んでもらえるもの作りを
していこう。その結果、形や、ものではない、”何か”を感じてもらえれば、嬉しいなぁ。と思います。*********************************
更新が遅れてしまっていますねぇ。ごめんなさい。
実は妻の体調が良くなくて、家でもやる事が多くて、いつの間にか一週間経ってしまいました。妻は、言うこと聞かない赤ん坊と、生意気盛りの娘と、勝手気ままな夫の世話に疲れが溜まったようで、
耳の調子が良くなくて、病院に行ったのです。医者から、薬を処方されたのですが、なんせ
母乳で育てているので、それを飲むことが出来ず、どうしようか悩んでいる時、そういえば‥。ちょうど先月、札幌の宮ノ森にオープンした整骨院の整体用のベッドを僕が作ったのですが、
その先生に相談してみようと思いついて、電話したところ、「その症状だったら針灸で治せると思うよ。」
ということで、ここのところ、通っているのです。僕は結構、”気”とか好きで(自分では何も感じないのですが‥)、見えない力や、存在といったものを
信じている方なのですが、東洋医学も、なんだかそれに通ずるものがあるような気がして、妻に付き添って
興味深々に見ていたのですが、スゴイですねぇ。針で脈を強く、速くするだとか、体温を調整するだとか、背骨の歪みや、骨盤のずれを治すだとか、
それぞれにツボがあるんですねぇ。効果に即効性があって、見ていて面白い!(妻には悪いのですが)
そして、人間の体の奥深さと、不思議さを感じました。昔はまっていた、「北斗の拳」をちょっと
思い出しちゃったりして‥。なんとかこのまま、妻の体調が快復に向かえばよいのですが。それにしても、”縁”って面白いなぁ。そして、ありがたいなぁ。と実感します。
「たまたま電話帳で家具屋さん探してたら、面白い名前だったから電話したんだよ。」というところから
仕事をさせて頂き、「良い出来映えだねえ。これから弟子が独立する時には、また君に頼むよ。」と喜んで
頂いた先生に、妻が治療してもらうことになるなんて‥・どこでどう巡りめぐる”縁”に感謝しつつ、だからこそ、与えられた仕事には、満足して頂ける様、
精一杯努力しなければいけないなぁ。と思いました。ちなみに、「北斗の拳」では、トキの戦い方が好きでした‥。
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昨日、今日は北海道も暑かったですねぇ。昨日は北海道が全国で最高気温だったとか。
先日、モエレ沼公園にお弁当を持って家族で遊びに行きました。
ちょうど噴水の始まる時間だったので、娘と走って見に行きました。
昨年も何回か見ているのですが、迫力と、パワーがあって、見事ですね。見事な噴水といえば我が家でも負けていません。
妻がいつも「噴水や〜よ!」と言いながら交換。たまに僕も‥。そう、赤ん坊が男の子なものですから‥。おむつ交換の時、例の、あれ‥。
この前僕が息子をお風呂に入れようと、おむつを取って、いざ抱っこしようとした時、
ピューと噴水が!見事な放物線のその先にあるのはなんと、息子の口!
慌てておむつでふさいだのですが時すでに遅し。きっと何ccかは再び息子の体の中に
還元されていきました。
いつかテレビで、ヨットかなにかで何日も漂流した人が、水分を自分の尿でとっていて
助かったというのを見たことあるので、まあ、平気でしょう。さすがのイサムノグチも、自分の設計した噴水と、赤ん坊のおしっこと同じ土俵で語られるとは
思ってもみなかったでしょうねぇ。それにしてもモエレ沼公園のガラスのピラミッドは本当に気持ちの良い空間ですね。
何かとても創作意欲をかき立てられるのです。イサムノグチの心の中はきっといつでも
こんな感じだったのかな?なんて思います。10年くらい前ですかね。札幌の芸術の森で開催された”イサムノグチ展”を見に行った時、
『無題』と題された(何点かあるのですが)石の彫刻の前で、本当に頭の中が”無”になっていく
感覚を覚えました。イサムノグチは、家具や照明もデザインしていて、ガラスのピラミッドにも照明が展示されています。
娘と、どれが一番好きか、「せーの」で指をさしっこしたり、お互いに当てっこするのですが、
なかなか同じものになることはないんですよね。みなさんはどれがお好みですか?
工房は、モエレ沼公園のすぐそばです。遊びに来たついでに、工房へもお立ち寄り下さい。
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皆さん、木の匂いってご存じですよね。新築の家に入ると、なんとも木の香りが
気持ちよいですよね。
でも、”木の匂い”っていっしょくたにしていますが、本当は樹種によって全然違うんですよ。今、「まるスツール」をチーク、ナラ、アメリカンブラックチェリー、メープルの4種類で
製作しているのですが、削っていると、それぞれ特有の匂いがぷ〜んっと。メープルはメープルシロップの甘い香り、チェリーはサクランボの香り‥
な訳ないですよね。言葉で上手く説明できないけれど、それぞれ独自の香りを持っていて、削っていると、
その香りに包まれます。さらには、同じ樹種でも結構香りが違うんですよ。特にナラは違いますね。
「あぁ、きれいな土(みず)で育ったんだなぁ。」と思うような、香ばしいおせんべいの様な香りの
ものもあれば、「これはちょっと堪らない!」と思うような泥臭いものもあるんです。材料を加工している時、木の香りに包まれながら、重さとか、硬さとか、木肌とか、香りとかで、
「この木は山の北側の急斜面の厳しい環境で育ったんだなぁ。根性がある。」とか、「南側の緩斜面で
ぬくぬくと育ったおぼっちゃまだな。俺は甘やかさないぞ!」とか、「けもの道の脇に立っていて、
いろんな動物におしっこを引っかけられてたな?」
な〜んて勝手に想像して、楽しんでいます。たまに、本当にその木のルーツを確かめたくなることがあります。そんなことは不可能なのですが‥。
法隆寺や、薬師寺の再建を指揮した西岡常一さんは、山に入って、立っている木の状況に応じて
使う目的や、場所を決めていたんだそうです。家具の場合、そこまでやる必要は無いのだけど、それでも、この環境で育った木を削ってみたら
自分が想像していた通りの特徴の材料が出てきたら、それは嬉しいだろうなぁ。と思いますね。さらには人が300歳とかまで生きられたら、子供が生まれたら苗木を植えて、育てて大木になって、
その木を使ってその子の家具(テーブルや椅子)を作って下さい、とお願いされたりなんかしたら、
それはもう、家具職人冥利につきる、究極の幸せだなぁ。なんてもう、木の香りはとても僕の想像力をかき立ててくれるのです。そして、そんな気持ちで
加工をしていると、ついうっかりミスしてしまって、ハッ!!と一瞬で現実の世界へ戻されるのです。*********************************
写真のひつじ、かわいいでしょ!僕の最新作です!!
というのはウソで、僕の友人の手作りなんです。
先日、友人が「羊の足を作らせて!」と工房に遊びに来ました。
一歳になる娘さんのために、手作りで木馬‥いやいや、木羊を作ったのですが、
ユラユラするための足のRの部分が上手く出来なかったようで、
その部分を、工房に作りに来たのです。もちろん、木工経験はゼロ。道具だってホームセンターで買った物を駆使して作り、
羊の毛の部分の綿毛は、義母さんが縫ったんですって(驚)
”愛”の込められた物の持つパワーはスゴイ!!
昨年、札幌芸術の森で開催された”世界の木のおもちゃ展”で木馬や、ひつじが
いっぱいあったのですが、正直言ってこれほど僕の心を捕らえたものはなかったです。なんだか、僕が趣味で家具を作っていた頃のことを思い出しました。
部屋に新聞紙を引き詰めて、ホームセンターで買った手工具で、夜な夜な家具を
作っていた頃のことを‥。親にうるさくて眠れない!と怒られながらも
こそこそやっていた頃のこと。今だに使っている物もあるんですが、我ながら、”たいした道具もなく、
良くこんなの作ったなぁ!”と感心してしまいます。中には、”あの機械(今使ってるもの)
なくて、どうやってこの加工やったんだろう?”なんてものもあったりして‥。ただひたすら楽しかった趣味が、いつの間にか仕事になって、忘れかけていた原点を
このひつじが鮮やかに思い出させてくれました。すき間が無いだとか、凸凹が無いだとか、そういうのを気にするのもいいけれど、その前に、
どこか”愛”を感じられるものを作っていこう!と改めて思い直した一日でした。
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GWは妻の実家の富良野に行っていました。
北国は一気に春がやって来きます。ほんとに、昨日までが冬で、今日から春です。
というくらい。
そして、人も動物も植物も一斉に活動を開始する、この北国の春が僕は好きです。
この時期、農家のトラクターが整然と畑を均していく様子は、自然のものとは違う
美しさがあり、見入ってしまいます。田舎道を走っていると、写真の様な、木の枝にほんわりとした丸いものが
くっついている木を見かけました。これって、「小鳥の巣だと思ってる人〜?」
結構いますねえ!って実は僕も数年前までそう思ってました‥(汗)
小鳥が巣を作るべく、小枝をコツコツと集めてきて、木の枝に器用に
ま〜るく積み重ねたもんだとばかり思ってました。妻もそう思っていて、ドライブしていてこの様な木を見つけると、
「かわいい〜!」などと言っていたものでした。ところが‥
これは小鳥の巣ではなかったんです!!
”寄生木(ヤドリギ)”という植物で、ナラや、ブナなどの高木落葉樹に寄生して
親木の幹の中に根を食い込ませて、水分を横取りして成長している悪いやつなんですねぇ。
夏は隠れているんだけど、冬になると、自分は常緑なのに、親木は落葉樹なので、
目立ってしまうという、ちょっとお間ぬけちゃん。え〜!そんなこと知りたくなかったって?小鳥の巣ってことで、かわいい〜!って
思っていたかった?(妻の意見)大丈夫!この寄生木、人様のご飯を頂戴しときながら、一応良識をお持ちのようで、
親木の成長に影響が出るほど大きくはならないようにわきまえているようです。「居候、3杯目にはそっと出し」
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今年の2月くらいから、僕が木工を学んだ職業訓練校の後輩の女性が、
仕事を手伝ってくれています。
彼女は、職訓を卒業してすぐに海外青年協力隊として、中米のホンジュラスで現地の人に
木工を教えていて、昨年帰って来たのです。それから札幌の家具屋さんに就職活動をしていたのですが、女性ということもあり、
なかなか難しいようで、就職口が見つかるまで、技術習得と、リハビリ
(向こうでののんびり生活から脱皮するための)がてら手伝ってもらっているのです。先日、テレビ局の方から「そちらに、20代で夢を持って頑張っている従業員の方いませんか?」
という電話があり、「従業員ではないんですが、手伝ってもらっている20代の女性ならいますけど‥」
と彼女のことをお話ししたところ、取材を受けることになり、連休前に撮影が行われました。今回は僕が出るわけではないので、とても気楽に、ちょっとビビッている彼女に
追い打ちをかけたりして、取材当日を迎えました。いざ撮影を開始してみると、彼女を指導している僕の姿(まあ、これは日常のことなので、別に
いいとして)や、カメラの前に立って、どういう家具職人になってもらいたいかなど質問を受け、
そんなこと何にも考えたこと無かったし、僕も取材を受けるなんて全然聞いてなかったので、
かなりあせってしまいました。
それに引き替え、質問を予想していた彼女は堂々と答えていました。嵐のように撮影部隊が帰っていった後、「しまったぁ、こう言えばよかった‥」、
「顔が焦っているのバレバレだろうなぁ。」など、後悔しましたが、”後悔、先に立たず”ですもんね。
今となっては、使えなくてカットされているのを祈るばかりです。(3分番組なので、ちょっと期待!)来週月曜日5月14日(月)の夜9時54分からTVHの『キャッチ・ザ・ドリーム』という番組で
放送されます。
もしよかったら、見てみて下さい。
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先日の5/3に木工教室 in 円山市場開催しました。
今回も楽しく、盛り上がって製作できました。その時の様子はこちらです。木工教室の翌日から今日までお休みをもらって、急きょ、妻の実家の富良野に行ったのですが、
その前に、以前、つむじ風通信の”絶滅動物を残したい”の題名で書いた、色鉛筆で絶滅した動物の
絵を描いている青年が、この連休に札幌に帰省していると思い連絡し、約束していた額を渡しました。高校入学と同時に親元を離れ寮生活をしているので、ちょっと心配で様子を聞いてみると、
「楽しくやってます。また図録を描いています。」と頼もしい返事が返ってきました。彼が最初に描いたという思い出の絵を入れた額を渡すと、
「これはすごい!これはすごい!」と素直に喜んでくれて嬉しくなりました。今回はその足で富良野に行くので、「夏休みに帰ってきた時に工房に遊びにおいでよ。」
と言って別れたのですが、彼の図録が完成(完成というものがあるのかどうか判りませんが‥)
した時には、その額なのか、展示台なのか未定ですが、何かを作って、どこかに展示して、
多くの人に彼の絵を見てもらいたいなぁ。などと勝手に思っています。夏の楽しみが一つ増えました。
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工房を始めてすぐの頃、ちょっとしたことがきっかけで出会い、
その後、なにかに付けて、僕のことを心配したり、気にかけて下さっている方が、
円山市場にお店を構えているというご縁で、このゴールデンウィークの5月3日に
その円山市場の中で木工教室を開催して下さることになりました。製作する物は、これまでに数回開催している、今ブームになっている”my箸”です。
円山市場の中には、衣食住に関する様々なこだわったお店が入っていて、
今回、”食”において、環境に配慮した運動のイベントとして、”my箸”を製作することになりました。工房以外の場所で木工教室を開催するのは初めてなので、ちょっと心配なのですが、
興味のある人、ない人、たまたま買い物に来ている人達が、カンナを使ってお箸を作っているのを
どんな反応で見てくれるのか、とても楽しみです。また、当日、クラフト作品の展示もしようと思っています。急に話が決まったので、
前もって制作が出来ず、たくさんは無いのですが、今までに製作した物を、展示しようと思います。
なかなか工房まで来られないという方、是非この機会に見に来て下さい。
また、箸作りの方も、参加してみて下さい。中学校以来という方がほとんどだと思います。
カンナを使って箸の形に削っていく行程は、ただただ無心に夢中にしてくれて、とても
楽しい時間だと思います。
日本の刃物の独特の文化や、ヨーロッパの道具との違いなどのお話しも織り交ぜながら、
「日本人に産まれて良かったなぁ!」と感じて頂けるのではないかと思います。
どうぞお気軽にご参加下さい。お待ちしております。*********************************
あ
近日中にある本が出版されます。ART BOXという出版社から出版される
『現代日本の家具』という本です。『現代日本の建築』という本も、この出版社の本なのですが、
建築の本の中ではかなり格が高いようで、これに載せられるということは、建築家にとって
かなり名誉なことらしいのです。それの家具バージョンを新たに出版するということで、昨年末にどういう訳か、出版社から僕のところに
手紙が届いたのです。建築家でない(一応、2級建築士なんですけど‥)僕は、その本を知るよしもなく、
ちょっと目を通してゴミ箱にポイ!だったのです。たまたま建築に携わっている友達が遊びに来ていた時、担当者から電話が来て、ゴミ箱をひっくり返し
手紙を探し出すと、友達が、「その本はとても権威のある本で、それに載せてもらえるということは
名誉なことなんだよ!」と言われたので、出版社の人に、「他にどういう人を載せるんですか?」と
尋ねたところ、日本を代表する家具デザイナーや、家具作家の名前が‥。その人たちと肩を並べて載るということに、とても恐れ多い気がして、なおさら断ったのです。
それでもその後、何度も電話を頂き、「こちらとしても、誰でも良い訳ではなく、本としての格式を
保つために選別させて頂いた方にのみ、ご連絡しているのです。自信を持って下さい。」
などと妙な説得をされ、恥ずかしながら載せて頂くことにしました。その本が完成し、先日送られて来たのです。ハードカバーの立派な本で、貯蔵先も全国の美術館だとか、
図書館だとか。値段も15,000円もするもので、驚いてしまいました。僕のページを目次で探して見てみると、見開き2ページに見覚えのある家具が。まだ顔写真が無いだけ
マシなのですが、なんだか恥ずかしいような、やっぱり恐れ多いような。工房を始めて一年足らずの僕が、このような本に載せて頂けることに、まず感謝するとともに、
これからは、この本に載っている人達と同じ土俵に立っても、気後れすることなく、堂々と渡り合えるよう、
さらに一生懸命、素晴らしい作品を作っていくよう、努力しようと思っています。*********************************
あ
工房を始めてからというもの、様々な”出会い”に驚きと感謝の連続なのですが、
先日、また素晴らしい出会いがあったのです。先日の木工教室に、中学を卒業したばかりの青年が参加してくれたんですね。
”木工教室の様子”のページでちょこっと触れたのですが、彼には素晴らしい
才能があって、それを偶然見てしまった僕は、声をかけずにはいられなかったのです。赤ん坊の定期検診で病院に連れて行って、待合室のソファーに座っていたんですね。
そしたら斜め前に彼が座っていて、スケッチブックに色鉛筆でなにやら絵を描いていたんです。
その絵を見るなり、娘と目が点‥!小鳥の絵を描いていたのですが、その鮮やかなこと。
とても言葉では表現できない素晴らしい絵で、僕は視線を反らすことが出来ずに、
彼に気づかれないように、密かに、ものすごく感動していたのです。そのうち彼が呼ばれて、しまい始めた時、この感動を絶対に伝えなきゃ!と思った僕は
意を決して声をかけたのです。「その絵の額を僕に作らせて下さい!」
なんの事か判らないですよね?名刺を渡して僕の気持ちと職業を伝えたところ、
彼と、彼のお母さんはとても喜んでくれて、連絡先を教えてくれました。話をすると、驚くことに、彼がまだ中学生だと言うこと、そしてさらに、4月から
工芸コースのある高校に進学し、そこで絵とともに木工の勉強をするということ。その日はそのまま別れたのですが、僕はとても気になっていて、「きっと社交辞令
だと思っているだろうな?」と思い、2,3日後電話したところ、案の定行って良いものか
迷っていたようで、喜んでくれました。また、入学する高校の入学前の課題で、
木工の道具を入れる箱を作ってくる事になっているようで、そのお手伝いというか、
指導をお願いされ、今日、一緒に作ったのが上の写真です。僕が彼の絵に感動したように、彼もこの道具箱をとても気に入ってくれたようで、
「一生大事に使います!」と喜んでくれていました。冷静に考えてみたら、彼とは20ほども年が離れているんですね。それでも僕にとっては
彼と、彼の絵からは学ぶべきものがあり、知り合ってまだ数日しか経っていないのに、
彼の将来になにかを期待してしまうのです。自由研究で描いたというノート4冊、172作品を惜しげもなく僕にくれた彼の作品の
ほんの一部をアップします。全て絶滅してしまった動物たちです。どうぞご覧になって下さい。*********************************
以前つむじ風通信に書いたのですが、
昨年の年末、本州から北海道に遊びに来られて、「工房に伺いたい。」
とお電話を頂いたのですが、あいにく現場仕事が入っていて
お会いすることが出来なかった方から、再びメールをもらい、
先日、工房を案内することが出来ました。娘さんを連れて北海道に旅行に来たそうで、広い北海道、見るところは
たくさんあるのに、わざわざ時間を割いて、僕の工房へ来て下さるなんて、
本当に嬉しいことです。木のものがお好きな方で、出来たてホヤホヤのアームチェアーに座って
HPでご覧になっていたという僕の作品を実際に見て、触っては、とても喜んで、
「来て良かった!やっぱりパソコンの画面では伝わらないものが、
本物は伝わりますねぇ。」と感動されていました。工房へ来て下さる方や、メールを下さる方の中には、「毎日、そよかぜ通信を
チェックしているので、初めて会った気がしない。」とか、「自分が子育て
しながら仕事をしていた時期を思い出します。」などという声を聞かせてくれます。
妻は育児に追われ、僕は昼間は工房で仕事し、夜は提案する家具のスケッチに
追われ、気が付くとアッという間に一週間が過ぎてしまっていて、更新が疎かに
なっていますが、たまにでも、覗いてみてください。吹けば飛ぶような工房ですが、そよ風、つむじ風を背に受けて、
一つ一つの出会いを大切に積み重ねて、少しずつ前に進んで行きたいと思っています。
工房へ遊びに来て、僕の作品に触れて見て下さい。
ありがとうございました。*********************************
「木育(もくいく)」という言葉を知っていますか〜?
昨今、新聞などで、「食育(しょくいく)」については良く記事が出ているのですが、
「木育」はいまいちマイナーですよね。「木と触れあうことで、人と、木や森との関わりを主体的に考えられる豊かな心を育む」こと
を言うのだそうです。
木とうい素材は、なんだか温かくて、優しくて、確かに心を豊かにしてくれますよね。
子供はそれを感じる心を持っているんです。娘が3歳くらいの頃、うちに、カラフルなプラスチックで魚とか、野菜とかが半分になって、
マジックテープでくっついていて、プラスチックの包丁で切ったりして遊ぶおもちゃがあったんです。
それと同じようなものを僕が木で作ったんですね。そしたら、うちに遊びに来た子ども達が、
僕が作った木の包丁や、魚を取り合うんですね。カラフルなプラスチックの方が、喜びそうな
ものなのに。実は、僕にも逸話があって‥。
僕が幼稚園に行ってた頃、友達と遊ぼうとせずに、いっつも一人積み木で遊んでたんですって。
親が心配して、家にも同じ積み木があればきっと飽きて、幼稚園では友達と遊ぶようになるだろうと
全く同じ積み木を買ったらしいんです。そしたらそんな親の期待をまんまと裏切って、
家でも、幼稚園でもひたすら積み木で遊んでいたんですって。僕が、心豊かに育ったかどうかは解りませんが、とりあえず30過ぎても飽きもせず、毎日
木と向き合ってます。それだけ木には魅力があるんですね。話が反れちゃいましたが、北海道が主催して、「木育」を広く浸透させていこうということで、
”木育人材バンク”というものがスタートしました。「木育」に関する活動を、ボランティアで
協力しよう!という人が登録して、活動に参加、協力するのです。まだ、どういう活動をするのか
具体的には解らないのですが、協力出来ることがあればしたいと思い、登録しました。実は「家具工房旅する木」を立ち上げた時、最終目標のビジョンの一つに「木育」の施設と、
活動をかかげており、これを足がかりに、一歩一歩、理想とする目標に近づけていきたいと
思っています。また、そういう考えを持った仲間と出会っていきたいと思います。
興味のある方は”北海道の「木育」”のHPをご覧下さい。
アドレスはhttp://www.pref.hokkaido.lg.jp/sr/rrm/mokuiku/index.htmです。
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先週の土曜日、木工教室を開催しました。
前日になって、残念ながら急用が入ってしまって2名の方が
キャンセルになってしまい、旭川からの参加者と、
今、僕の仕事が忙しく、助っ人の女性に手伝ってもらっているのですが、
その3名で薪ストーブにあたりながらの、アットホームな木工教室となりました。わざわざ旭川から参加して下さった方は、僕の母校である、旭川高等技術専門学校に
通っている方でした。
それを予め言ってくれていたら、仕口箸の木工教室に変更したのに‥。
「出来るまでは帰さない!」なんていうスパルタ方式で。マンツーマンですし、木工の心得があるので、結構早く出来上がってしまい、後は
ストーブにあたってお茶しながら、僕の木工人生などの雑談に花が咲きました。独立して一年ちょっとが経ったのですが、この間に、お客様以外に、
趣味で木工をやっている方、今勉強中の方、今は全然違う職業なんだけど、
家具作りをやってみたいという方、弟子入りさせてくれ!と言う方、などなど、
木工を通じて色んな方が会いに来てくれます。まだまだかけ出しの僕には、大した手助けは出来ないのですが、
「同じ木工を志す者同士、縁があれば、必ず必要な時にまた出会えるはずだから、
お互い頑張りましょう!」と言っています。お客様とももちろんですが、同じ道を歩んでいる(歩もうとしている)人達とも
つながって、将来、どういう形かは解らないけれど、一緒に何かできたらいいなぁ。
と思いますね。そうそう、HPで仕口箸を見てくれていて、本物を見せたら、とっても感動して、
「これ7千円って安すぎませんか!」って。嬉しいことを言ってくれるではありませんか。
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このところの北海道の気温の変動には参りますね。
今日の札幌は10度を超えたかと思ったら、明日は真冬日だそうです。
2月だというのに、今日は雨でしたもんね。
自然がおかしくなってきていることを実感する今年の冬ですね。
体調管理に気を付けなきゃ。ところで、”木は生きている”ということは一般的に知られていますよね。
山に生えている木はもちろんですが、切られて製材されて、僕が毎日使っている
状態の木も、割れたり、反ったり、収縮したり‥日々、動いている。ということは
おそらくご存じのことと思います。それでは、実際にどれくらい収縮するのか、知っていますか?
例えば北海道の乾燥している今時期に作った家具を、本州に納めて、
梅雨や、夏のジメジメした時期に寸法を測るとすると、最大に動いた場合、
10パーセント収縮する可能性があるのだそうです。
10センチの板が、9センチ、または11センチなるということです。
テーブルで考えたら、巾90センチで作ったモノが、1メートルになる可能性があるのです。ここまで収縮の変化を体験したことはありませんが、「そういえば、この前10センチに切った
材料どこだっけ?」といって見つけてきて、そのまま加工を進めていたら、なんかつじつまが
合わなくて、計ってみたら5ミリ縮んでいた‥ってことはありましたね。”反り”に関しては、1時間くらいで動きます。反りが大きくて、材料が狙った厚さに決まりそうに
ない時など、片方を濡らして、ストーブで暖めたりして反りを直します。家具を作る時、特に無垢を使う時は、この木がどのように動くかを想像し、動きを止めるのではなく、
動いても大丈夫のように、動きを逃がす構造にするように心がけています。
「自由に動いていいよ。でも、ここは守りたい(寸法や、見た目など)から、こっち側で動いてね。」
という風にですね。何かの本で読んだことがありますが、今の治水事業は、大きなダムや、堰を作って、30年や、50年
に一度の大洪水をくい止める。絶対に洪水を起こさせない。というものなのに、自然は必ずその上を
超えていく。それに対して、江戸時代の治水工事は、氾濫する場所を作っておいて、洪水が起きてもいいよ。
でも、ここは人が住む町だから、こっち側で頼むね。というもので、自然と上手く付き合うと言う意味では、
江戸時代の考え方の方が優れている。ということでした。
なんか僕の無垢を扱う時の考え方に似ているなぁ。と思いました。人間がいくら知識と技術で自然を押さえ込もうとしても、かなう訳がないんですから、
もっと謙虚に上手く付き合う智恵を使えば、きっと地球も穏和に僕らに接してくれると思うんですけどね。
てなことを、異常とも思える今年の北海道の冬の今日この頃、仕事をしながら思いました。*********************************
一足早く、バレンタインデーのクッキーを娘が作ってくれました。
プーさんの形のものや、ハート、味も、普通のものや、ココア味、
ミックスしたものなどバリエーションに富んでいて、美味しかったぁ。ちょっと前に、児童会館で教わってきて、マフラーを編んでくれました。
段ボールを、王様の冠みたいに凸凹をつけたものを使って手で編んでいくのです。
子供の作るものなので、所々抜けていたり、均一でなかったりで、一見して
手編みだな〜。と解るので、ちょっと恥ずかしいんですが‥。前にそよかぜ通信に書いてあったと思いますが、娘は手紙を書くのが好きで、
僕にもよく書いてくれるのです。それも、ビックリさせるのが好きで、
こっそり作業服のポケットなんかに忍ばせておくのです。この前も「パパ、いつも○○のおせわしてくれてありがと。おしごとがんばってね!
おしごと、もっとふえるといいね。今日はマッサージデーだよ。」なんて嬉しいような、ドキッとする手紙を忍ばせてありました。
赤ん坊が生まれて、娘が産まれたばかりの頃のことを思い出すことが
増えた分、いつの間にか、こんなことも、あんなことも出来るように
なったんだな〜。と実感しますね〜。よく、お客様に「ご自宅には自分で作った家具に囲まれているんですか?」
なんて聞かれます。実は、妻や、娘に「チェスト作って!」「食器棚作って!」
と言われるのですが、自分のものはついつい後回しで、結局それほど作ってないんですね。ホワイトデーには間に合わないけれど、娘に学習机と、椅子を、
売っているものとはひと味違う、”父の手作り”ってものを作ろうかな?
と思っています。*********************************
あ
トップページで紹介しましたが、乳歯入れと、仕口(しくち)箸&箸置きが
札幌商工会議所の【北のブランド2007】に認定されました。ちょうど今、仕口箸の在庫が切れてしまい、製作しているところなんです。
正直なところ、この、仕口箸&箸置きの加工は、想像してもらえれば
解ると思うのですが、作っていて気が狂いそうになるのです。
なんてったって、本当は宮大工(みやだいく)が、建築の柱に施していた
仕口や、継ぎ手の技術を、9ミリ×9ミリの箸の中で再現しようって訳ですから‥。しかも、昔の宮大工は、技術を競い合って、より複雑に、オリジナルの仕口を
作り出したわけですから、こんなことしなくていいっしょ!!って思っちゃう訳です。とにかく細かい手作業の加工で、ノミも、仕口箸用に、1ミリの細いノミを自分で作って
それを使っているのです。
組んでみてすき間ができちゃったモノは、溜息と共に薪ストーブの薪になるんですが、
細いのでアッという間に煙と化して空へ消えていく‥虚しい。なんでそんな思いまでして作っているかって?
この箸と箸置きを、人に見せた時の反応がなんとも楽しいんです。
ビックリする人、感動する人、大笑いする人、「バッカじゃないの?」と言う人…。気が狂たっていい!採算合わなくたっていい!これからもその反応を見たいが為に
作り続けますよ。ちなみに、ノミは写真の様に、いろんな巾のものがあって、それぞれ用途に応じて
使い分けているんですよ。*********************************
なんだか年が明けてばたばたしているうちに
ついついそよ通、つむ通の更新が疎かになってしまっていました。
どうもすみなせん。妻は赤ん坊の世話で夜中も何度も起きて母乳をあげたり、おむつを
交換したりで、まだそよ通を書く余裕がないので、僕が頑張らないと!
と思っているのですが、赤ん坊がぐずり始めたら、ダッコして
トントンしながら添い寝していると、いつの間にか、僕が寝てしまって
ハッと気が付くと赤ん坊が目パッチリ!どっちが添い寝してもらってるんだか?
な〜んて言い訳してます。ところで、”予定変更”というのは、今週の25日金曜日の北海道新聞夕刊
の[おふたいむ]というコーナーで木工体験教室のことが紹介されるのですが、
ちょうど紹介される時期に木工教室が休みというのは残念ですね。という
編集者の方の希望で、冬ですが、寒いですが、1,2月も木工体験教室を
開催することにしました。といっても、機械作業の無い、箸&箸入れにし、
以前紹介した自作のビニールハウスの中での作業なので、
それほど寒くはないと思います。寒い人はカンナかけを一生懸命やれば、
身体から湯気が出てきますから、大丈夫です!!冬の寒さを吹き飛ばすように、熱く、楽しくもの作りの一日にしましょう!
是非ご参加下さい。お待ちしております。
詳細はこちら‥*********************************
新年の初仕事は、な〜んと北海道新聞の取材による木工教室でした。
記者の方が、my 箸と、箸入れを作る体験をして、
そのことを記事にする。ということでした。前回はテレビの撮影だったので、教えている姿とか、会話も
録画されるので、ちょっと(かなり?)緊張したのですが、
今回はその辺は安心して、リラックスしながら出来ました。実際の木工教室の時は、10人くらいの参加者がいるので、
わいわい、がやがや休憩したり、他の人のを見たりしながら
やっているのですが、今回はカメラマンの方を除いて、
マンツーマンなので、カンナ掛けの最後の方は、記者の方の
握力がなくなってしまっていました。次の日、連絡があって、
案の定筋肉痛になっていたそうです。
すみません、気づくのが遅くて…。1月25日(木)の北海道新聞「おふたいむ」(全道版)に
載るそうです。もし機会があったら、読んでみて下さい。箸が出来るまでの行程をかなり詳しく紹介しているので、
面白そう!または、イマイチ作り方解らない!という方は
是非木工教室にご参加下さい。な〜んて宣伝してしまいました…。でも、記者の方も、「とっても楽しかったです。」とおっしゃってくれました。
もの作りは本当に楽しいものですよ。
3月末からまた開催予定。寒いの覚悟でしたら、随時受け付けております。
今年も木工教室を盛り上げていきますので、よろしくお願い致します。*********************************
いきなり答えですが、「子供の椅子」でした。
僕は小学校の頃からずっとクラスで一番チビで、いまだに
「前、ならえ!」と言われれば、とっさに両手を腰にあててしまいます。
両手を前に出すポーズはやったことがないので…。妻も中ぐらいの背丈で決して大きくはないのですが、どういうわけか
娘は今のところ後ろから数えた方が早いんですよね。娘に作った子供椅子が、身長に合わなくなってきたので、工房に持っていって、
脚を3センチほどカットしました。作った時は足が床に着かないので、
足を乗せられるように踏み板をつけたのですが、もう最近は必要ないみたいです。
いつまでこの椅子に座って、後どれくらい椅子の脚をカットするんでしょうね?切ってしまえばただの木っ端(こっぱ)なんですが、
な〜んか捨てられないんですよね。切った脚の先。
実家の柱には、なかなか伸びなかった僕の身長の記録が残されているんだけど、
我が家では、代わりにカットされた椅子の脚の先が、子供の成長の記録なんですね。*********************************
明けましておめでとうございます。
元旦の良さというのは、何か心がリセットされることですよね。
昨年までの良いこと、悪いことが、ここでリセットされて
また新たな気持ちでスタートできそうな気になるところです。
こういう気持ちって大事な気がしますよね。2007年を神聖な心でスタートしたいと思い、年末から行きたいと
思っていた、大丸札幌で開催されている、星野道夫展「星のような物語」を
新年早々に娘と見に行ってきました。
「家具工房旅する木」という社名も、彼の文章から取らせてもらったものです。僕は彼の写真ももちろんですが、言葉により惹きつけられてしまいます。
今回もあるパネルの前で立ち止まってしまいました。一緒にいた娘が
そんな僕に何か感じたようで、「何て書いてあるの?読んでみて?」と言われ「たとえば、こんな星空や泣けてくるような夕日を一人で見ていたとするだろ?
もし愛する人がいたら、その美しさや、その時の気持ちをどんな風に伝えるかって?」
「写真を撮るか、もし絵が上手かったら描いて見せるか、いや、やっぱり言葉で
伝えたらいいのかな?」
「その人はこう言ったんだ。‥‥」不覚にもそのパネルを読みながら、涙がこぼれそうになり、娘に「パパ、感動
してるの?感動した時は泣いていいんだよ。」と前に娘に言ったことのある言葉を
言われてしまいました。星野さんの写真や文章を表現出来るような言葉を、僕は持っていないけれど、
誘った時、「写真なんか見たくないよぉ。」と言っていた娘が、見ている最中、
「来て良かったぁ。アフリカってすごいね!」と言った言葉が一番表現出来ている
気がします。
「アラスカだから!」と笑いました。
もし時間があれば、パネルの言葉のつづきを読みに見に行ってみて下さい。
感動と神聖な気持ちでスタートした2007年、一つ一つの出会いを大切に
一つ一つ良い仕事をし、感動するものを作っていきたいと思っております。
今年一年、どうぞよろしくお願い致します。
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本当に一年って早いものですねぇ。
子供の頃は随分長く感じたんですけど‥。皆様方との素晴らしい出会いのお陰で、家具工房旅する木も一年を
迎えることが出来ました。もともと計画的に準備をして用意周到に物事を進めていくタイプではなく、
というより、妻に言わせると、全くその正反対で、行き当たりばったりで、
最近は慣れたようですが、昔は「○○(僕のこと)と結婚して、全速力で
走らされることがすごい多い!」と言われたものです。そういえば、新婚旅行で
カナダへ行った時も、両手に荷物を持って、長距離バスを追いかけたことも‥?そんな僕が何とか一年工房をやってこられたのも、皆様との暖かい出会いが
あったからこそだと、一つ一つの出会いに心から感謝しております。そよかぜ通信にも書いてあったように、先日とっても嬉しいお電話を頂きました。
「北海道に旅行で来たんです。いつもHPを見ていて、北海道に行った時に
工房へお邪魔したいと思っていたんですけど。」ということでした。
あいにく現場の仕事が入っていてお会いすることが出来なかったのですが、
一人でやっているような小さな工房のHPを、見ていて下さって、
旅行に来た時に会いに来て下さるなんて、本当に嬉しく思いました。僕の作る家具は、全て手作りのオリジナルなので、出会いの数だけ、
新しい家具が生まれます。今年生まれた家具達を一つ一つ振り返えると、
その出会いを思い出し、その家具が納まった時の喜びの声を思い出します。
その、喜びの声を聞くために仕事をし、喜ばれている姿を見て、「ああ、
工房を始めて良かったなぁ。」と実感します。
木工教室でも、皆さんが夢中で作っている姿、完成して、何を乗せようとか
話している声を聞いて、次へのエネルギーになります。今年一年、本当にありがとうございました。
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去年は、極寒の中、ひたすら着込む作戦で冬を乗り切ったのですが、
ボンドの接着力とか、オイルの乾きなどの関係で今年は
必要最低限の温度を確保できる部屋が欲しい!と思っていました。今年知り合って、人手が欲しい時とか何かと手伝ってもらっている大工さんに
”設営、解体が簡単で、外の様子が見えて、ある程度の保温効果があって、
何よりお金がかからないもの”というわがままな難問をぶつけてみたところ、
見事に応えてくれた素晴らしきビニールハウスが工房内に完成しました〜。パネル工法の様なもので、ビニールをピンと張る方法は、
特許取れるんじゃないかと思うほど良いアイデアで、
見た目にも、モエレ沼公園のガラスのピラミッドに負けてない(???)
素晴らしいビニールハウスです。これで、後3ヶ月、乗り切るぞ〜!!
それにしても煙い!!+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
新年の1月8日まで、大丸札幌の7Fホールで星野道夫展「星のような物語」
をやっています。「旅する木」は僕の大好きな星野道夫さんの本から
取らせて頂いたものなのです。休みに入ったら見に行こうと思っています。
是非皆さんも見に行ってみて下さい。
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12月に入って日に日に寒さが厳しくなってきましたね。
また、寒さに耐えながらの仕事の日々がやってきましたね。そよかぜ通信で話題に出ましたが、近くの家具屋さんから
要らなくなった薪ストーブを頂き、今年はそれを使っています。
今までのは、暖めると言うより、料理用の薪ストーブなので、
暖房効果はイマイチだったのですが、今度のは強力なんです。でも、もともと捨てるものだったので、色んな所に穴が‥!
そこから煙が漏れて広い工房なのに、煙い!!
一日かけて僕が燻製にされている〜。
帰宅すると、妻と娘から「パパ、ハムの匂いする!」っと。しかーし、ハムはハムでも、そんじょそこらのハムじゃぁないんですよ。
なんてったって、工房では燻製のチップには最適な桜の木。しかもわざわざ
北米から取り寄せたアメリカンブラックチェリーを燃やしているんだから、
出来上がる燻製は最高級なんですよ!
そりゃぁ香りだって最高なわけですよ。今日は、くるみ(ウォールナット)のチップで焼き芋を焼いて3時のおやつに
頂きました。明日はメープルのチップでじゃがバター。な〜んか文章で書くと、贅沢で豊かな生活を‥と思いますよね。
でも、本当は穴のあいていない薪ストーブが欲し〜い!!のです。
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