A邸 キッチン
リフォームに伴い、キッチン全体をプランからコーディネートしました。
メインの部屋がキッチンということで、様々なプランをご提案し、奥様と一緒に検討しました。
プランが決まり、内容も決まり、実は最後まで決まらなかったのが樹種。ご主人と奥様の意見が合わず…(笑)。
最後は奥様が折れて、ご主人希望のウォールナットになりました。
木のキッチン、後ろのキッチン収納、その横のカウンターデスク、ダイニングテーブル、全ての天板に42ミリのとても厚い
ウォールナットの無垢板を使っているので、部屋に入った瞬間、その高級感と気品ある迫力に、思わず誰でも「うわ〜!」と
声を出してしまう。そんな空間です。
デザインは、一切装飾をつけず、取っ手も付けず彫り込み式にし、出来るだけシンプルにし、ウォールナットの板目の木目を
強調するように心がけました。
もちろん、旅するのキッチンは全て木目が綺麗につながっています。シンプルなものほど、木目の一本まで意識して、細かいと
ころまで丁寧に作られているかがストレートに伝わるもので、キッチンがかもし出す雰囲気が空間をグッと高級に、引き締めて
います。
外見のシンプルさに反し、内部は使いやすく、引出し内部の可動仕切りや、鍋やお皿を立てられるようにしたり、包丁立てなど、
様々な工夫を施してあります。
リフォームは新築と違って、すでに決められた空間、そして制限された条件などがあるので、その中でデザイン、機能、雰囲気、
使いやすさなど、そのどれもが高いレベルで結びつくようにするのは、とても難しい作業なのですが、それこそがオーダーの醍醐
味で、かなり考えられた素敵なキッチン、空間になりました。
[A邸 キッチン]はこうして生まれました
札幌のお住まいのAさんからお問い合わせを頂きました。
ハウスメーカでのリフォームで、提案されたキッチンメーカーのキッチンがあまりピンと来なくて、ネットでいろいろ
探していたところ、旅する木のオーダーキッチンをご覧になり、「これだ!」と思ったのだそうです。
すぐに工房にカフェのキッチンを見に来てくれました。実際にご覧になって、触ってもらうと、パソコンの画面以上に
その良さが伝わり、すぐに打ち合わせがスタートしました。
リフォームということで、面積、配管の位置、ドアなど、いくつか制限された条件の中で最高のものをご提案出来るように
いろんなパターンを考えました。
打ち合わせを重ねるごとに、奥様、そしていつも一緒に打ち合わせに付き合って下さるおばあちゃんが、僕の事をとても
信頼して下さり、打ち合わせはいつも楽しく、スムーズに進みました。
リフォーム工事が進む中で、大手ハウスメーカーは、なかなか個人の細かな思いに応えてくれないようで、Aさんは不満が
たまる事もしばしば。そんな時、2級建築士の僕は多少なりとも相談に乗れるので、建築のご相談も受けました。
引き渡しが終わり、写真取りをさせて頂いた時、「ハウスメーカーとのトラブルでストレスが溜まった時、夜な夜な梱包
されてあるキッチンの梱包をはずして、キッチンを眺めるのがとても楽しみでした。友達みんなに自慢します!」と、とても
嬉しい言葉を頂きました。
我ながら、とても良い仕事をしたなぁ。と写真撮りをしながらこの空間、このキッチンで生活できるAさんをちょっと
羨ましく思いました。
良い仕事は、良い仕事をさせてもらえる機会が与えられなければできません。この様な機会を与えて下さり感謝しています。
どうもありがとうございました。
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