ouranos(ウラノス)chair
これ以上ない、シンプルなデザインのロッキングチェアー。
パーツは、アームから脚にかけた、曲げ木と、座面と背の一体型になった革張り、の二つのみ。
直線と曲線の対比、木と革の対比がとても面白く、高いデザイン性のロッキングチェアーです。
ロッキングのユラユラに、さらに曲げ木の部分の弾力も加わり、座った感じはまるで、天空の雲に乗っている様です。
ネーミングはギリシャ語で『天空の神』と意味するouranos(ウラノス)と名付けました。
この構造でいったい何キロまで耐えられるのか、心配ですよね。なんと、100キロまでは大丈夫です。
木の強さを改めて思い知らされました。
『ouranos(ウラノス)chair』 はこうして生まれました
旅する木でのクラシックコンサートでお馴染み、僕の友人の建築家であり、音楽家でもあるスタジオシンフォニカの畠中氏
が、結婚10周年に、奥様へのプレゼントとして依頼されました。
畠中氏の基本デザインを元に、細部のデザインを起こしたのですが、果たしてこれ程までの曲げ木が製作可能だろうか?
この構造で体重が支えられるのか?ロッキングの部分のRをどれくらいにすれば心地良いのか?座面と背の一体型の革張り
が可能だろうか?…などなど、難題が盛りだくさん。
依頼された日から、苦悩の日々でした。
「これ程デザイン性、クオリティーの高いものが出来るなら、いつまでも待つよ。」と言ってくれたものの、完成させることが
出来るのかどうか、常に不安が付きまとっていました。
それでも、難題の一つひとつを解決していく過程は、新しい発見、技術のステップアップの連続で、製作可能だと確信し、
完成が見えた時には、苦労した分、早く座ってみたくてワクワクの日々でした。
待ちに待った納品の日、奥様もとても喜んでくれて、「須田さんじゃなきゃ、作れない椅子ですね。」と褒めて頂きました。
才能のあるデザイナーとのコラボは、自分の殻を破り、大きく飛躍する機会を与えてくれる、素晴らしいチャンスで、
僕にとっては、とても楽しいことなのです。
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