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1400年が語りかけたもの
先日、北海道近代美術館で開催されている『国宝・法隆寺展』を見てきました。
今年が聖徳太子没後1400年なんですって。
それで聖徳太子にまつわる国宝や、聖徳太子ゆかりの寺院である法隆寺に飾られているいろんな仏像、菩薩、絵画などが札幌でも展示されているんですね。
法隆寺は世界最古の木造建築として有名ですよね。
605年に建設されたのだそう。
今から1400年前。
飛鳥時代。
今回展示されているものも、その時代のものが多く展示されていました。
『時の試練』
というものを意識して、いつも家具作りをしている僕は、つい、そういう目線で見てしまう。
1400年という『時の試練』を乗り越えさせて来たものはなんなのか?
この”物”たちの”形”と、その”中”にあるものはなんなのか?
『形には力がある』
常々思っています。
展示されているものを見ていると、やっぱりそう思います。
そしてそれぞれの”形”の中に封じ込たもの。
人が今までも、そしてこれからも持ち続けるもの。
それは、
『願い』と『希望』
なんだろう。
それが1400年の『時』を軽々と超えさせたんだと感じました。
もうすぐ終わりだからなのか、たくさんの人で溢れている中で、ぼんやりと菩薩半跏思惟像を眺めながら、
「すげえなぁ〜。」
思わず口に出した自分の声で、はっと我に返る。
ものづくりをしている人間として、ちょっと嫉妬にも似た気持ちが湧いてくる。
こっそりと思う。
「でもさぁ、仏像とか菩薩像とかって、”願い”と”希望”を入れやすいよね。家具でそこまでって、むずくない?」
そんな心を見透かしたのか、さっきまでは優しく慈悲深く感じた菩薩像の顔が、ちょっとだけ笑ったように感じる。
そして僕の心に誰からぬ言葉が流れ込んでくる。
「お前もまだまだだな。」
一瞬たじろいてつい謝ってしまう。
「すみません。」
もう一度菩薩像の顔をじっくりと眺めると、何食わぬ顔で、僕のことなど気にも止めていなさそう。
「いや〜、頑張るけどさあ、あなたからしたら、ほとんどのものが、まだまだだになっちゃいますよ。」
これが僕が感じた、1400年…
北海道近代美術館での『国宝・法隆寺展』
明日が最終日です!