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小さいけど、大事な僕の幸せ
毎朝、5時台に犬に起こされて散歩をしています。
右がノンノ、北海道犬のメス、14歳のおばあちゃん。
左はまる、柴犬のオス、5歳。
この写真を見ると、仲良くほのぼのと一緒に散歩している様子が思い浮かぶと思います。
でも…
実際はこの二匹、相性が悪いんですよ〜(涙)。。
今でこそ滅多に喧嘩をしなくなったんですけど、昔はしょっちゅう喧嘩。
しかも流血の惨事になるくらい。
僕が中に入って止めない限り、どこまでやるかわからないので、猛烈な喧嘩をしている中に割って入るんですけど、我を忘れて喧嘩をしているわけですから…。
僕も噛まれて血だらけになるなんてことがしょっちゅうあったわけです。
6年前にノンノは大きな病気をして、医者には余命3日と言われました。
すでに歩くこともできず、ずっと寝転んだり、しゃがみ込んているだけだったのですが、僕が
「ノンノ、散歩行こ?」
とロープを持つと、力を振り絞って立ち上がって、玄関に向かう。
道路に出ると、やっぱり歩けなくて、ただ道路の真ん中で立ちすくんでいる。
5メートルくらい離れたところから
「ノンノ、おいで。」
としゃがんで両手を広げると、
ヨロヨロしながら必死に僕のところに来ようとする。
あ〜、この話をすると、泣けてくる〜(涙)
もう明日の朝は目が覚めないだろう。と思うくらい衰弱した夜、僕はノンノの横のソファで寝たんですね。
ずっとノンノの横で起きてようと思ったのですが、ついウトウトして、寝ちゃったんです。
そしたら突然、重くて柔らかいものが僕のお腹の上にドスンっと落ちてきたんです。(落ちてきたと思った。)
なんと、ノンノがソファの上で寝ている僕の上にジャンプして乗っかって来たんです。
とてもジャンプなんでできる状態じゃないのに。
立つことすらままならないはずなのに。
ノンノの最後の力を振り絞って、僕の上に乗っかって来たんですね。
「ノンノ、重いよ〜。」なんて言いながら、泣きながら、朝まで一緒に寝ました。
不思議なことに、それからノンノは奇跡のような回復をしていったんです。
そうそう、この泣ける話の中には、今となっては笑い話なんだけど、その時は絶望的だと思う話がありまして。
衰弱して行くノンノを車で病院に連れていった帰り、食欲がないノンノが好きそうなおやつを買おうと思って、ペットショップに寄ったんですよね。
普段あげないおやつを買ったので、
「これはノンノ、喜んで食べてくれるかな?」なんて思って車に戻ると…
ノンノが赤い袋を両手で押さえながら、咥えている。
「ノンノ〜ダメ〜!!」
と言って、咥えている袋を口から取ったのですが、時すでに遅し…。。
甘党の僕が大事にちょっとづつ食べていたキットカットの袋が車の中に散乱してるじゃありませんか(驚)。
まだ買ったばかりで、結構たくさん入ったキットカットを全部、袋ごと食いちぎって食べちゃってたんですよね。
犬ってチョコレート、ダメじゃないですか!
健康な犬でも、チョコレート食べさせたら死んでしまうようなことを何かで読んだことあったので、もうビックリ!
健康な犬でもダメなのに、衰弱しているノンノが、よりによって、キットカットをほぼ全部、食べちゃったんですから。
キットカットを車の中に置きっぱなしにしていたことをものすごく後悔し、もう絶望的に落ち込んでいました。
このまま死んでしまうのでないかと心配した次の日。
生きていることにホッとして散歩をしていると(この頃はまだ、散歩できた)、いつものところで、ノンノが後ろ足を踏ん張って、お尻を下げて、いつもの💩ポーズ。
すると、ノンノのお尻の穴から💩と一緒に、出てくるわ出てくるわ、赤と銀の袋…
そう、キットカットの袋!
元気になった今、その時のことを振り返ると、思わず吹き出してしまうくらい笑えるのですが、その時は、落ち込みましたね〜。
ただでさえ衰弱してるのに、最後は僕の不注意によるキットカットだとしたら、それはもう…。。
それまではノンノは外で飼っていたのですが、病気になってから、家の中にいさせるようになったんですね。
手術できるまで体力が回復し、子宮を取って、日に日に元気になって、食欲も出て来て、安心した頃、ノンノに可愛い相棒を作ってあげよう。と思って連れて来たのが、北海道犬より体の小さい柴犬のまる。
僕のイメージでは、ノンノが赤ちゃんのまるを可愛がって、なめたり、追いかけっこしたり、面倒みたり… というよくYouTubeで見る仲睦まじい風景。
ところが、ノンノは可愛がるどころか、子犬のまるに吠えたり、いじめたり、時には襲い掛かったり。
結局一緒の空間にはいさせられないので、片方はゲージの中に居させる感じになっちゃったんです。
まるはすっかり臆病な犬になってしまったんですね。
しかも、攻撃的な臆病。
怖いことや、ビックリすることがあると、噛んでしまう。
まるが小さい頃は、喧嘩すると まるが負けて、びっこで歩いたりしていて、痛々しかったのですが、まるが成犬になると、なんだかんだ絶対に本気噛みはしないノンノに対し、まるは本気でノンノを噛むので、ノンノが血を流して骨折したりして、病院に行くことに。
ノンノにも、まるにも、可哀想なことしたなあ。と思う日々が続きました。
子宮を取ったノンノは、ホルモンのバランスが崩れて、今ではぽっちゃりおばあちゃんになって、完全に主導権をまるに譲って、引退モード。
まるが何か気に入らなくて、ゔ〜って唸ると、さっとノンノは後ろに下がって、まるから離れようとする。
「本気出せばノンノの方が強いのにね〜、ノンノ。偉いね〜ノンノは。本当に強いってのは、ノンノのようなことなんだよ〜。」
なんて言いながら、最近は喧嘩することもなく、やっと平和なワンワンライフになりつつあります。
朝の散歩も、今までは別々に行っていたのですが、最近は一緒に行く。
でも、やっぱり2人の間には距離がある。
犬は上下関係をはっきりさせるらしいのですが、この上下関係は先住犬が上とかそういうのは関係なくて、犬同士に任せておけば、自然と自分たちで上下を決めるんだそうです。
でも、ノンノとまるは、僕が見る限り、どっちが上でどっちが下ってわからない。
心が繊細なまるは、ノンノにすごく気を使っている。
僕がソファに座って本を読んでいると、まるは、「撫でて〜」って、僕の股の間に顔を挟んでくる。
「もう、本読んでるの。」って言いながらも、頭を撫でてあげていると、無神経でお構いなしのノンノは、「いいな〜。私も〜。」って、のっそのっそとやってくる。
そうすると、まるはさっと引いて、僕をノンノに譲るんですね。
ベッドの上で、僕と遊んでいても、ノンノがくると、まるはさっと軽快にジャンプしてベッドから降りて、ノンノに譲るんです。
そして、ノンノがヨイッショ!って感じでベッドにジャンプして乗ってくる。
それでいて、まるは暇になるとノンノの鼻を自分の鼻でクイックイッとやって、
「オラオラ、遊べよ〜。」ってノンノを挑発する。
それに対して、ノンノは
「わたしゃのんびりしていたいの。」といやいやそうにトボトボ別の場所に移動して、ドカッと伏せをする。
そんな対照的なノンノとまるだけど、僕は両方とも本当に可愛くて、ほとんどの時間を一緒にいる。
寝る時、大抵すでにノンノが僕のベッドの上で寝ている。
いつも真ん中にドカッと寝ているので、僕は隅っこの方で半分体が布団から出ている。
最近は寒いので、少しずつ自分の陣地を広げようと、少しずつノンノを足で移動させていると、
わざとか?っていうくらい、フ〜っと大きなため息をついて、ドスンっとベッドから飛び降りて、ベッドのすぐ横で寝始める。
きっと、お互い様なんだろうけど、夜、僕はノンノのいびきで目が覚めることもある。
そっとノンノを見下ろすと、真横になって足を伸ばして堂々と眠っている。
ふと、ソファの横で苦しそうに横になっていたノンノを思い出して、大丈夫かな?って心配になって、手を伸ばしてノンノを撫でる。
すると、のそっと起き上がって、ノンノは僕の手を舐める。
「ごめん、ごめん。起こしちゃった?ねんねしな。」
っていうと、また、迷惑そうにフ〜っと大きなため息をついて、横になる。
朝、窓が少しだけ明るくなってくると、隣の部屋で寝ていたまるがやって来る。
歳を取って眠りが浅くなったのが、フローリングを歩くカチャカチャというまるの足音で、すでに目が覚めている僕は、できるだけ寝ていたいので、寝たフリをしている。
音も立てず軽快にジャンプして僕の上に乗っかって来て、僕の顔のところに来て、クンクン様子を伺っている。
寝たフリをしていると、足で僕の顔を「ねえねえ、起きて」って撫でて来る。
まる的にはそっと撫でてるつもりなんだろうけど、爪が痛くて、我慢できず、起こされる。
朝のこのひとときだけは、きっと、まるは”僕の時間”と思っているのか、隣にノンノがいても、僕に撫でられている。
やがてフワッとジャンプして、戸を手でゴリゴリやって、早く散歩行くぞアピール。
ノンノも散歩に行きたくて、「ワオーン!」と雄叫び、いや雌叫び(笑)をあげる。
ここまでされたら寝ているわけにいかず、
「わかった、わかった。」と言って、着替えて散歩に出かける。
ノンノは自分のペースのでのっそのっそ歩いたり、立ち止まったりしている間に、まるは5メートルのロープの中で、前に行ったり後ろに行ったり。
おそらくノンノの倍は走り回っているんじゃないかな?
僕は「も〜、ノンノ、行くよ!」
とか、
「まる〜!ちょっと落ち着いて!」
なんて言いながらも、幸せな時間だったりする。
北海道犬の平均寿命は13〜14歳。
今ノンノは14歳。
こんな小さな幸せな時間も永遠ではないんだな。って思うと、ちょっと心に重さを感じる。
立ち止まってぼーっと遠くを見ているノンノに声をかける。
「ノンノ、ノンノはまだまだ長生きしなきゃダメだんだよ。まだまだ元気にこうやって散歩しなきゃダメなんだよ。パパにはその理由があるんだからね。」
なんて言って、一つ一つその理由を言い始める。
「まず一つ目は、こうやって早朝に散歩するおかげで、パパは健康でいられるんだよ。ノンノのおかげで、忙しい毎日の中で、優しい気持ちに慣れるんだよ。3つ目は、工房に来てくれるたくさんのお客さんが、のっそり、のんびりなノンノに癒されているんだよ…」
「いろいろ理由はあるんだけど、一番の理由はね…」と言いかけたところで、ノンノがフ〜っと大きなため息をついてまた歩き始めるから、僕は笑ってしまう。
「ホント、いつも絶妙なタイミングでため息つくねえ。ノンノは。」
明日も明後日も、来年も再来年も、暑い日も、寒い日も、朝日が綺麗な日も、雨の日も、ずっと散歩していたいなあ。って、そんな気持ちにさせる、少しの淋しさも混じった秋の冷たい風が頬を撫でていく。
誕生日、おめでとう。