PRODUCT作品紹介 / テーブル
思い出の木でテーブルを♫
天板がウォールナットで、脚が桜というrera-table。
一つのテーブルで、天板と脚を異なる樹種で組み合わせることが、初めての挑戦だったので、どうなるんだろう?
と楽しみにしていました。
rera-table は凛とした気高さがあって、ウォールナットで製作すると、ビシッとしたブランドのスーツを着て、颯爽と
ウォール街をあるいている。という雰囲気が、脚に桜を使う事により、その人の週末のアフター5、ちょっとカジュアルに
オシャレに決めた。という感じになったなぁ。と思います。ちょっと表現がイマイチ?
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むか~し、むか~し、Tさんのお庭に、 一本の桜の木が立っていました。
Tさんが家を新築するので、 どうしても木を倒さなければならなくなりました。
桜の木は何十年もこの場所で育ちました。
切り倒された桜の木は、 クレーンでトラックに積まれ、 製材工場へ運ばれて行きました。 木は寂しかった…。
製材工場では、木を見る専門の職人さんが、 どういう角度で製材すると、 一番この桜の木を生かせるか見極めて。
大きな大きな機械でカットしていきます。 そして、乾燥機で乾燥させます。
数ヶ月後、 桜の木は、『旅する木』という家具屋さんにやってきました。 Tさんご夫婦と旅する木の須田さんが、 この桜の木を使って何を作ろうか相談した結果、 「天板は無理そうなので、テーブルの脚に使いましょう。」 と決まりました。
Tさんご夫婦が旅する木にやってきて、 須田さんが加工した家具の塗装をしました。
自分で使う家具を、ちょっとでも手がけると、 さらに愛着が沸いてきます。
Tさんの奥さんが塗装担当。 ご主人はノンノ担当になりました。
天板はウォールナットで、脚はあの桜の木を使って、 こんな素晴らしいテーブルが完成しました。
これがTさんの庭に立っていた桜の木で作った テーブルの脚です。
ビシッと加工されて、組まれています。 これで育った年数以上に家具として 新しい命を生きることが出来ます。
チェアーもセットになって、こんな素晴らしい家具が完成しました。
ウォールナットの天板に、桜の脚の組み合わせも素敵です。 こっちの椅子はガゼルチェアー。
こっちの椅子はアームチェアー501。
天板のウォールナットも綺麗です。
Tさんの家が完成して、 やっと桜の木は、 元の場所に帰ってくることができました。
新しい命を吹き込まれて、この場所で、Tさんと一緒に また何十年も暮らせると思うと、 桜の木はとっても嬉しかったとさ。
FEE料金について
樹種 天板:ウォールナット |
脚 :桜 |
サイズ :L1800×D900×H680 |
仕上げ :旅する木オリジナル塗料使用 |
プライスレス
思い出の木で家具を作りたいという方、お気軽にご相談下さい。
Tさんとの出会いは、偶然です。
雑誌などで『旅する木』のことは知っていたのですが、工房がどこにあるのか、知らなかったTさん。
実は職場に通うのに、東裏小学校のすぐ横の道を通っていたんです。
確かにどこにも『旅する木』の看板を立てていないので、真横を通っていても、気が付かないですよね。
たまたま工房のすぐ前の簡易郵便局に僕が車(旅木カー)を止めて、用事を済ませているところを通りがかって、
旅木カーには、『旅する木』のロゴが書いてあるので、「あ、『旅する木』って家具屋さんの車だ!もしかして、
この学校が工房なの?しょっちゅう横を通ってたんだ。」という経緯だったんだとか。
このことを聞いて、「やっぱ、看板立てようかな?」と思ったまま、まだ立てていません…。。
そんな経緯でご夫婦で工房に来て下さり、新築計画中の家のダイニングセットを相談されました。
その際、「庭に桜の木があって、子供の頃から見てきたのですが、敷地の関係で切らなければならないんです。
その木をどこかに使う事ってできますか?」と。
『旅する木』という工房名をつけた理由。
巡り巡って僕のところにやって来た木を、”家具”という新しい命を吹き込んで、お客様の元へ旅だ立ってほしい。
その巡り巡る木が、生まれ育った庭の木だなんて、物語りじゃないですか。
今までも何度かこのような仕事をさせてもらったことがあるのですが、製材会社は1本や2本の製材なんて面倒くさがって
やりたがらない。「あんた、なに言ってんですか?そんじょそこらの木じゃないんですよ。思い出の詰まった木なんだよ!」
気持ちはこんな感じなのですが、「すみません、どうかそこを一つ、次に大量に製材する時に一本だけ混ぜて。はい、
時間は待ってもらえますので。お客さんの思い出が詰まった木で家具を作って欲しいというご希望なので。」とお願いし、
製材してもらっています(笑)。
ダイニングセットということは決まっているのですが、この桜のをどういうふうに使うかは、上がって来た材料を見てから
決めることに。本当はテーブルの天板がよかったのですが、そこまで取れそうな感じではなかったので、Tさんと相談して、
テーブルの脚に使う事にしました。
「製作過程にちょっとでもよいので参加させて欲しい。」という奥様の希望で、最後の塗装をTさんご夫婦でやってもらう
ことになり、2月の寒い工房に来てくれて、一緒に塗装をしました。
納品時、新築の家に伺うと、2階のリビングに上る階段の最後の曲がり角がちょうどダイニングテーブルを横から見る格好
になり、まさに桜の脚を目線の正面で見られ、「これはいいですね~。」とTさんも喜んでいました。
インテリアに凝っているTさんの家には、そうそうたる有名な名作と言われる家具たちが置かれていました。
その中心に、『旅する木』のダイニングセットが置かれ、しかも、その家具にはこの土地で何十年も育って来た桜の木が
使われている。そのことがとても嬉しく、思い出深い仕事になりました。
僕は家具を作っているというより、家具を通して、お客様の物語りを作っている。という思いで仕事をしているので、
今回、このような機会を与えて下さり、とても感謝しています。
Tさんご夫婦、ありがとうございました。