工房に手つきたてのお餅屋さんがオープンします!【風鈴ちりり】 | 札幌のオーダー家具・オーダーキッチンなら家具工房【旅する木】

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工房に手つきたてのお餅屋さんがオープンします!【風鈴ちりり】

FacebookやInstagramでは、すでに毎日のように進行状況の報告をしていますが、改めて、ブログの方でも紹介しますね。

今年のGWオープン予定で、旅する木の工房である、東裏小学校の校舎の一室で、つきたてのお餅を提供するお餅屋さんを、娘と息子がやります。
お店の名前は『手つきたて餅とかき氷 風鈴ちりり』

っと、その前に、最近、家具をご検討されている方で、打ち合わせをするために、旅する木に来られると、
「廃校だったんですね!」
と驚かれる方らいらっしゃるので、説明しておきますね。

旅する木は札幌の隣町、当別町という田舎町の廃校になった東裏小学校という平家で細長〜い、可愛い小学校が工房なんです。


↑ 校庭から見た東裏小学校の校舎


毎朝朝日が綺麗なんです♪ 〜 キタキツネの足跡が工房の屋根の上まで続いてる!


↑創業時から使っている『旅する木』の看板 〜 もう色あせて読めない(笑)


↑ 作業場は体育館 〜 夏暑くて冬寒い(笑) 冬の作業場の気温は…8度

 

この東裏小学校の元職員室で、25歳の娘と18歳の息子という若者姉弟2人が共同で、手つきたてのお餅屋さんをやることになりました。
毎日のように2人で何時間も打ち合わせをしたり、美味しいお餅つくりの試作、付け合わせの試作、仕入れ先の選定、資金繰りの検討などをしています。

それにしても…
これ、言っていいのかな〜?

去年、二人は札幌か恵庭、千歳でオーガニック系のカフェをやりたい。っと準備を進めていたんです。
料理の試作から、物件探しなどをしていました。
ところが年始になって急に、
「お餅屋さんをやることにした!毎朝、杵と臼でついた、つきたてのお餅を提供する、手つきたてのお餅屋さん。しかも毎朝、そよ(娘の名前)がつく。」

え?!今から?
4月オープンって聞いてましたからね。

実は僕、お餅つき大好きなんです!
ご存知の方も多いと思いますが、旅する木のイベントには、お餅つきが付き物。
正直、オーガニックのカフェの時は、なんかピンッと来てなかったのですが、つきたてのお餅屋さんと聞いて、
「それ、いいわ〜!パパがやりたいくらい」
っと、僕も俄然、乗り気になりました。

とは言っても、最初から彼らがやることに対して、僕は、相談されたり、頼まれたこと以外、口も手もお金も出さないというスタンスでいようと決めていたし、子供たちも、僕に頼らずにやろうとしているので、口を出したくてうずうずしながら、見守っています。

お餅つきに関しては、子供たちより僕に、一日の長があるので、正月に
「見本を見せてやる!」っと、餅米の蒸しから、つくところまでの一連の流れを説明しながら、実際についている最中、ついカッコいいところを見せようと頑張りすぎて、貧血で倒れてしまいました(笑)。

店舗でのお餅つきは、条件が厳しくて、なかなか適正な物件が見つからなかったり、良いと思うところは家賃が高かったりして、結局彼らから、
「工房の教室でやらせてもらいたい」っと。

旅する木の敷地内でやる以上、改装工事から使う木のお椀や器まで、一切の木製品は、旅する木に発注するように。っという条件を付けました。

僕としては、旅する木の工房内で、僕の子供が経営しているお餅屋さんの店舗、そして出てくるトレイや木のお椀、お皿など木製品は、誰もが、”旅する木が作ったもの”と思うのではないかと思います。
それを予算が無いからと言って、妥協されたもので揃えられたら、それは僕としては困るわけで。
そこで、「旅する木の敷地内でやってもいいよ。その代わり全ての木製品は旅する木に発注するように」という条件を付けたんですね。

子供たちだからといって、旅する木は値引きはしません。
これはお客さまに対してもそう。
職人が培ってきた技術とプライドを持って作っているものを、安易に値引きすることはしません。
それは、自分が歩んできた人生に対して、失礼なことだ思っています。
そしてそれは、逆に我々職人にとっては、とても身と心を律することになるので、巡り巡って、お客さまにとって、良いことだという思いがあります。

ただ、そこはやっぱり我が子供ですからね。
金額以上の仕事をしてしまいます。
これは完全に、子供たちが求めているわけではないのですが、僕が、自分達の技術で、人を驚かすことが好きなので、来てくれた人が、教室に入った瞬間、
「なにこれ〜!めちゃくちゃ素敵な空間!」

そしてお重の料理が運ばれてきた時、
「うわ〜、このお重、とっても素敵!」
そして蓋を開けたら、可愛い付け合わせ。

お餅の乗っているお皿も
「可愛い〜」

こんな光景を思い浮かべながら、お餅を彩る周りのもので、彼らの夢の後押しができたらいいあ。っと思っています。
そんなわけで今、『風鈴ちりり』のものの製作を進めています。

そして、彼らは柔らかくてフワフワなお餅をつけるように、週に何回もお餅つきをしています。
色々と条件を変えて、研究を重ねています。
なので最近の旅する木のスタッフのお昼ご飯はお餅三昧(笑)
10年以上の僕のお餅つきのキャリアは、とっくに抜かれて、かなりいい線まで来ています。

 

それにしても、どこで修行したわけでもなく、経験を積んだわけでもなく、思いついたようにお餅屋さんをやる!っと決めて、わずか4ヶ月の間に何もかも決めて、技を身につけて、突き進もうとするその度胸には、親ながら感服するというか…

正直、お正月に言われた時は、内心、
「本当にできるの?来年とかの話じゃないの?」
なんて思ったのですが、実際に間近で進行状況を見ていると、結構しっかりしているんですね。

例えば、スタートアップ系の動画をYouTubeで見ては、
「起業するにあたって、まずはしっかりとMVVを決めて、骨格にしよう」と言って
「ミッションは…、ビジョンは…、バリューは…」
など、話し合っていました。
オープンまでの4ヶ月を1週間単位で区切って、計画を練っていたり、参考となる本州のお餅屋さんに視察に行ったり。

まあとにかく楽しそうなんです!
ワクワクしている様子が伝わってくる。
なんか、起業ってこんなに楽しかったっけ?っと自分の時のことを振り返ってしまいます。

さあ、お餅屋さんをやる!という時に、この米不足。
僕から見たら最悪のタイミングだと思うのですが、ネットで調べては仕入れ先に電話して、断られて、困っているかと思いきや、「さあ次!」っと電話している。
そしてなんだかんだ最適な仕入ルートと出会ってしまう。

旅する木に発注してもらったお椀やお皿など器関係も、全部で120個!(驚)
「こんなにいる?」っと言うと、
「満席になった時に足りないと困るし、きっとお客さん、いろんなお餅を頼んでくれると思うんだよね」っと。

そして、
『家族がくつろげるような場所にしたい』というコンセプトに合うように、親子で来てくれたお客さんが喜んでくれるようなメニューもあって、その道具の製作も依頼されています。

いや〜、凄いなあ。ほんと、凄い。
なんか俺、物事の捉え方が随分重くなってるなあ。なんて考えさせられます。

この軽やかさや、根拠なき自信、良い意味で考えの浅さ、自分の人生を信頼している感じ、最近僕が忘れていたり、失いかけているもののような気がします。
見習わなきゃなあ。っと思って、風鈴ちりりのオープンを期に、旅する木も新たに、ずっとやりたかったことの足がかりを築くように動き出そうと思っています。

 

オープンまで間もなく一ヶ月。
少しずつ、風鈴ちりりに依頼されたものが形になりつつあります。
それを見せるといつも娘に言われます。

「旅する木はいつも、こっちの期待を超えていく!」

スタートアップ動画のような良いことは言えませんが、今年、20周年を迎える『旅する木』が、もうすぐ産まれようとしている『風鈴ちりり』に伝えたいことがあるとしたら、

心を込めて、いつでもお客様の期待を超えて行こう!
そこに感動が生まれる。
感動とは、その人が新しい自分を発見すること。

旅する木は家具で、風鈴ちりりはつきたてのお餅で、お客さまが新しい自分を発見する物語りを届けられたらな。と思います。

『風鈴ちりり』
4月末のオープンに向けて準備を進めています。
是非、彼らの届ける物語りを召し上がってみてください。

ついでに旅する木の、家具という形をした物語りも、感じてもらえたら嬉しいです。
お待ちしております。

 

今の進捗状況はこんな感じ。
今までの雰囲気をご存知の方は、もっとビックリするんじゃないかな。


↑↑↑ 打ち合わせや、旅する木スタッフの休憩ルームを


↑↑↑ 小上がりのある、ウォールナットのフローリングにしました!


↑↑↑ フローリングを一枚一枚作って、自分達で貼りました。息子も助っ人として駆り出して。


↑↑↑ フローリング貼りの態勢がキツくて、死んでる(笑)


↑↑↑ フローリングの所々に『風鈴ちりり』の焼き印


↑↑↑ これはなんでしょうか?完成してからのお楽しみ!♪


↑↑↑ 実は臼も、ちりり仕様で設計して製作してもらいました。臼を置く台も旅する木が製作。お客さんに見られるわけじゃないけど、素敵!


↑↑↑ 今まさに、お椀を製作中


↑↑↑ 北海道のミズナラ。硬くて苦労してます。

なぜ加工しにくいミズナラを使うかというと、鉄焙煎という、一般にはあまり知られていない塗装をしたいから。
ミズナラのタンニンのという成分と、鉄の成分の化学反応で、深い深い藍色に染まるのです。
ほんと、見る見る真っ黒に変化していくのは、とっても不思議。 ← 娘たちは求めてないけど、いつかやってみたいと思ってたんですよね(笑)。


お重は3種類の樹種で製作 ← 娘たちは求めてない(笑)
どの樹種のお重で運ばれてくるか、お楽しみ♪

 

こんな感じで、お餅以外のものだけでも、ワクワクアイテムがいっぱいです。

4月末、オープン予定。
是非、遊びに来てください。