『家具工房旅する木』は豊かな「暮らし」、「心」、「時間」をご提案、ご提供します。
つむじ風通信実は、学生の頃シナリオライターになりたくて、新聞社のコンペに出展していました。
箸にも棒にも引っかかりませんでしたが‥
文章を書くのは好きなので、妻のそよかぜ通信とともに、日常でのちょっとした出来事を
載せていこうと思います。なんちゃってシナリオライターにお付き合い下さい。
年末ですね〜。本当に時の流れは速いものですね。
ビックリしてしまいます。一年を振り返って‥は31日に考えるとして(相変わらず面倒な事は
最後の最後に後回し)実は先週、小学校の工房でテレビの取材を受けました。
初めての全国放送なんです!BSですが‥。
今までありがたい事に、テレビや、ラジオ、新聞、雑誌に『旅する木』を
取り上げて頂きました。
その都度、長野の親に、「こんな感じに、一応元気に何とかやってるから」
とビデオや切り抜きなんかを送っていましたが、今回はオンエアーを
見られるので良かったぁ。っと思っていたところ、残念ながら
実家はBSが見られない‥。しかも僕も‥。
オンエアー前か後か判りませんが、ディレクターの方にDVDでも送ってもらって
見ようかな?
おそらく今回は、妻と息子(2歳)も登場するかも。しかも〜、僕と妻の
若い頃(20代前半?)の写真も‥実はディレクターの方に昔の写真もあったら持って来て下さい。と言われ、
アルバムを引っ張り出して選んだ時…
2歳の息子に写真を見せると、写真の中の僕を見て、「パパ、パパ!」と
喜んでいるのですが、若かりし頃の妻を指差して「ネエタン(姉ちゃん)、
ネエタン!」と言うんです。
これには妻も笑いながらも内心ショック?だったりして…。そんなこんな、5分くらいの放送なのですが、BSが見られる方、良かったら
ご覧になって下さい。
放送日は、来年1/18(日)お昼からBS日テレだそうです。
それにしても生放送じゃなくて良かったぁ。*********************************
左の写真、何と言う道具でしょうか?
大工さんや、家具屋さんはよく使う道具なんですよ。答えは”さしがね”。
寸法を測ったり、直角の墨をつけたり‥
ちなみに、話は反れますが、家具屋さんは「直角」って言わないんです。
「矩手(かねて)」って言うんですよ〜。
「矩手が出てる、出てない」というふうに使います。話を戻して、この「さしがね」、ものすご〜く賢くて、奥深い道具なんです。
一瞬で丸太の中心が解ったり、円周が解ったり、材料の何等分を
割り出したり、ルート計算、その他いろいろ出来るんですね〜。
「さしがね」の使い方だけで分厚い本一冊書けてしまうんですよ。そんな「さしがね」で、面白いものを見せてもらいました。
真ん中の写真です。よく見えませんが、寸法のところに、
”良”とか、”凶”とか、”病”とか、”和”とか書いてあるんです。
長さには縁起の良い寸法とか、悪い寸法とかあるんですね。
それが書いてあるんです。和室は寸法的なルールが細かく決められていて、凶相にあたることなど
やってはいけないことが決められてるんです。
写真の「さしがね」の言葉も、おそらく和室建築の寸法から来ているんだと
思います。いつ、どこで、誰が、どういう根拠で考えたか知りませんが、
こういう事に触れた時、「日本の文化の奥深さ」というか、
「神秘さ」を感じて、何だか訳もなく「日本人に生まれて良かったなぁ。」
などと思います。
そして、そんな昔の日本人みんなが当たり前に持っていたであろう、
自分だけでなく、周り全てが”心地良い”ための嗅覚、おそらく僕も含め、
忘れているだけで、遺伝子の奥では覚えているその感覚を思い出せば、
きっと素晴らしい未来が開けるんだろう。
と、テレビをつければ「不況、世界恐慌‥」などと騒がれ、「自分さえ良ければ‥」
とついつい考えがちになる今日この頃、この「さしがね」をみてふと、
思ったのであります。
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来年春に竣工予定で、中の家具や、アイランドキッチンなどを
ご注文頂いたお客様と、大工さんの切り込み作業を見学に行って来ました。僕はいろんな家具の工場は見た事があるけれど、大工さんの土場(どば)は
あまり見た事がないので、とてもワクワクしながら見せてもらいました。家具屋さんと大工さん、木を扱っていて似たような職業と思われがちですが、
僕が思うに、大きな違いがあるんですね。なんでしょう?作っているもの?
そ、そうなんだけど‥(汗)答えは、大工さんは扱っている材料が大きいので、材料を固定して、
刃物を動かすんですね。なので、機械はハンディータイプのものが中心。
家具屋さんは扱っている木が小さいものが多いので、機械(刃物)が固定で
材料を動かすんです。なので、機械は大型のものが多いんです。
ちなみに僕は丸鋸(まるのこ)はとても恐いんだけど、大工さんはまるで
自分の手のように使うんですよね。すごい!僕は、今時の建築は全てプレカットで、昔のように仕口(しくち)を墨付け、
切り込みをしている人なんていないと思っていたんですね。
だから昔の技術をデザインとして日常の道具の中に残したいと、
”仕口箸”や、”仕口箱”を作っているんです。今では希少な大工さんがいたんです。
上の写真、”追っかけ大栓継ぎ”。大人5,6人が乗ったってびくともしない
高級な継ぎ手です。
昔の家は使われる場所によって、色んな継ぎ手、仕口が選ばれ、
金属ではなく、このような技を使って建てられていたんですね。
でも、この様な技術は、加工技術によって強度にバラツキが出るので、
数字に出来ない。なので安易に金物を使って強度を数字にして
建築基準法を満たしている、うんぬん‥となるんですね。でも、本当は木と金属は相性が良くないんですよね。金属は疲労するし、
木の水分で錆びてしまいますし。方や動くのに、一方は動かない。
法隆寺は金属を使わず、仕口、継ぎ手の技術で建っている。
だから1000年保ってるんですね〜。っと、すみません。この様な話になるとついつい夢中になってしまうんです。
誰か止めてくれないと、2時間ぐらいは平気で話してしまいます。
(木工教室がいつも時間オーバーになるのは、そのせいだったりして‥)なんだかこの様な大工さんがいて、その棟梁に従事している若い
大工さんがいて、かろうじてでも日本の技術が受け継がれている事が
嬉しくなりました。お客様は、これから自分の家の柱や梁になる木が目の前にある事に、
とても感激して、切り落とされた端材を記念に持って帰りました。
この様な技術で組まれた柱も、完成した時には、壁の中で見えなく
なっちゃいますもんね。継ぎ手の部分に、加工した大工さんの名前を書いておくんだそうです。
決して見られる事のない、でも自分が手を加えた証をそこに残す。「それが”粋(いき)”ってもんさ!」
この道40年の棟梁の奥深さを感じました。
まだまだ”粋”という言葉を僕は使いこなせないもんなぁ。
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先日の誕生日のこと…
「今日はパパの誕生日だから、お寿司でも食べに行く?」と言うと、
家族から「家が良いんじゃない?」とあえなく却下。。
娘が、「いいからいいから、パパはあっち行ってて!」といって、
隣の部屋へ息子と共に追いやられ、妻と何やらコソコソやっていました。しばらくして、「いいよ〜」と言われ戻ってみると、テーブルの上に
手作り手巻き寿司のピラミッド。そして、『おめでとう』の旗。
そういうことかぁ!保育園から小学1,2年の頃は、ほぼ毎日のように娘は手紙や、
マッサージ券(いろんな特典付きの)をくれたのですが、
そういえば最近はもらってなかった手紙を、久しぶりにくれました。
字は多少上手くなって、漢字も増えたけど、内容は昔と大して変わらない
その手紙が妙に懐かしくて、自分の歳が一つ増えた事より、
その事の方が、時の流れを感じました。手作りの手巻き寿司も、なかなかどうして…お美味しくて、
「こんなに美味しいんじゃ、もうお寿司屋さん行くことないわ。」
と言うと、「じゃあ、○○(自分)達はお寿司屋さんに行くから、
パパだけ家でこれね。」って。
いつの間にか生意気になっちゃって。
ちょっと話は反れますが、娘が僕にお願いごとをする時、
遠回しに僕のご機嫌取りをしたり、甘えたりする(?)らしいのです。
すっかりそれに乗せられて、やってあげると、妻がポロリ、
「まんまと作戦にひっかかっちゃって。」
え!?いやいや、そんなの全部解ってて、ひっかかってあげてるわけですよ…(汗)自分の誕生日なのに、何だか子供の成長が気になった一日でした。
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今、千歳の新築の住宅の家具の仕事をしています。
建築家と共に仕事を進めているのですが、素晴らしい建築です。
備え付けの収納家具も含め、建物の内部の家具一式をご注文頂き、
制作を進めています。建築と絡む無垢のカウンターがあるので、大工さんと協力しながら
取り付けているのですが、厚さ40ミリの分厚いナラの無垢板を見て、
棟梁が「これどうやって仕上げてるの?」と聞かれ、「全部カンナで
仕上げてます。」と答えたら、「カンナで?これ全部?カンナ使える
のかい?今時まともにカンナ使える職人なんていたんだ!」と、とても
驚かれ、カンナの話で二人で盛り上がりました。そうなんです。大工さんも、家具屋さんも、仕上げは、サンダー(やすり)
という簡単で便利な道具を使うようになり、カンナをほとんど使わなく
なっちゃったんですよね。なので、鍛冶屋さんがどんどん廃業して、
もう質の良い刃物は手に入らなくなっちゃったんですね。
僕は数年前に、生涯使う分だけのカンナを買ってあります。嬉しい事に、棟梁が僕の仕事を見て、自分が昔使っていた、ものすごく
切れるカンナをくれたのです。そして、もう一丁は、棟梁の親方の
形見のカンナを「これはあげられないけど、仕込み直してくれ。そして
俺が死んだら、お前にやる。」っとおっしゃって、古〜い年季の入った
カンナ2丁を僕に預けてくれました。(上の写真)
ずっしりと重みのある、良いカンナで、仕込み直して、研ぎなおして、
使うのがとても楽しみです。ちょうどそんなことがあって喜んでいた時、工房に来られ、お子様の
学童机をご注文下さったお客様から、「天板の手触りが他の家具屋さんの
ものと全然違う。ダイニングテーブルもお願いする事にします。」と
大変嬉しいお電話を頂きました。手間は何倍もかかるけど、伝えたい思いがちゃんと伝わると、
嬉しさも何倍もですね。
そのダイニングテーブルは、棟梁に頂いたカンナで仕上げようと思います。そして僕が引退する時、使っていたカンナを、高倉健みたいに無愛想に
「お前にやる。」なんて言える若者に出会えたら、嬉しいなぁ。
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いよいよ雪が積もりましたね〜。
体育館はやっぱり寒い。
でも、この時期が一番寒さを感じるんですよね。ところで"82.5"という数字、何を思い出しますか?
札幌近郊のラジオ好きの方ならピンと来る方も多いかも…
そう、FMノースェーブの周波数ですね。仕事中、一人で淋しいのでラジオをかけています。
大抵ノースウェーブか、エア−Gを聞いています。
そして先日、ノースウェーブのDJの森ルナさんが工房へ遊びに…
いやいや取材に来てくれました。
11月24日の【Panasonic presents LOVE&GREEN】という特別番組で
未来に残したいハッピーライフスタイルの家具のコーナーで
『旅する木』を取り上げて頂く事になったのです。
詳細は LOVE & GREEN HAPPY LIFE PROJECT10月半ば頃、ディレクターからメールを頂いた時にはまだ移転前で、
札幌に工房があったので、当日生放送で…という話だったのですが、
11月には当別の小学校へ移転していますよ。とお伝えしたところ、
生放送は無理なので、収録で。ということになり、ホッとしました。新しい工房である東裏小学校を案内すると、森ルナさんはじめ、
取材に来られた方々、自分の母校でないのに、懐かしがっていました。
そうなんです!東裏小学校は、『懐かしい』学校なんですね。ルナさんは”木”が好きで、取材以外の時、いろんな質問をしてきて、
”木”のことを聞かれると、僕もついつい調子に乗ってしまい、
1質問に、10くらい答えて、ルナさんに「今の録音しとけば良かったぁ!」
などと盛り上がり、緊張がほぐれ、ルナさんの巧みな話題の触れ方で
無事収録を終えました。11月24日9時から16時の番組だそうです。
しまった!何時くらいに放送されるのか聞くの忘れた…
暇な方は一日聞いてて下さ〜い。
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工房移転の引っ越しも落ち着き、仕事を再開していますが、
まだまだ体育館や教室を使いやすいように手直ししたり、
設備を整えたりしなきゃいけないことがいっぱいあります。
その辺の事は、僕はあまり経験も知識も無いのですが、たまたま
偶然にも、札幌で大きな家具屋さんを経営していて、長年の夢で、
セカンドライフを田舎でのんびりと、とうことで、一年ほど前に
当別町東裏に移り住んで来た方が、細かい気配りで教えて下さり、
最近ではのんびりどころか、自分の仕事と、僕のお手伝いで、
あわただしい日々になっているようです。
そして、地元の農家の方々も一緒になって、ボランティアで協力して
くれています。農家の方々と毎日接していて、良く耳にする言葉が、
「そんな物にお金かけなくていい。うちにある。」とか、「そんなの、
溶接して作ってあげる。」などなど‥え〜?!なんであるの?とか、作れるの?てなことばっかり。
『旅もっくんが今日も行く』のコーナーでも書いた、体育館の入り口の
窓サッシ、幅2.4メートルのお〜きなペアーガラスのサッシ。
シャッターをつける予定で、ブルーシートを張っていたら、
「うちに窓あるからあげるよ。」ということで、見に行ったら、
サイズがぴったり。すぐにトラックで運んでくれました。
薪ストーブの煙突も、雪でつぶれないような丈夫なものを、溶接して
作って、取り付けてくれたり、本当に助けられています。
一人じゃ絶対に出来ないし、業者に頼んだら、莫大なお金がかかる事を
ほとんどお金をかけずにやってもらっています。農機具が壊れた時、作物は直るまで待ってくれないから、大抵は自分で
直してしまうんだそうです。そのため、いろんな物を持ってるんですね。
それをしまって置く広い倉庫もあるし。なんか一次産業のたくましさと、助け合いながら生きていくという
田舎の暖かさを、毎日のように感じています。
ここに来て良かったなぁ。という思いと、少しづつ恩返しをしていこう。
という思いでいっぱいです。導かれるようにこの学校にやってきて、地元に人に支えられて快適に仕事
が出来る状態までしていただき、さあ、これから僕の番ですね。
多くの人にこの学校に来てもらい、家具だけでなく、この地の良さ、
人の優しさ、おいしい野菜やお米、そんなものを知ってもらえるような
活動をしていきたい。地元の方々に協力してもらいながら、混沌として
先の見えない今、一つのモデルとなるような地域になればいいなぁ。
と、とても大袈裟な事を、もしかしたらここでは出来るんじゃないかと
思える場所であり、人がいることが、とても嬉しいのです。
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工房の引っ越しも終わり、しばらく休んでいた仕事をフル稼働で
再開しています。引っ越しを僕の父が長野から手伝いに来てくれて、
地元の方から借りた軽トラと、僕のハイエースの2台で
ひたすらピストン移動して運びました〜。
重たい荷物を運んで疲れているにもかかわらず、孫の可愛さに、
わがまま2歳児の言いなりになって遊んでいました。何日も荷物を運んでは降ろしてを繰り返し、とうとう今までの工房が
空っぽになると、引っ越しの最中は「まだこんなに荷物があるの?」
って思っていたのに、なんだか淋しくなりますね。毎日工房へ入る時、「おはようございます。今日もよろしく
お願い致します!」と一礼、帰る時「今日も一日、ありがとう
ございました!」と一礼してたんですよね〜。
押し潰されそうな不安と、全く楽観的な根拠のない自信の間を
行ったり来たりしながら、ここで工房を立ち上げて3年。
このタマネギ倉庫での出来事を思い浮かべた時、作った家具とか、
起こった出来事ではなく、この朝晩の一礼だけは忘れなかったなぁ。
という事が心に浮かんできました。これから『旅する木』は、新しい地で歩んでいくけれど、
その最初の足跡を刻んだこのタマネギ倉庫は、一生忘れられない場所
であり、初心に帰れる、愛着のある大事な場所だなぁ。と思います。3年間の感謝の思いを込めようと思ったのですが、結局、
「今日も一日ありがとうございました!」
といつもの一礼で最後のシャッターを閉めました。
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いよいよ工房を当別町東裏小学校校舎に移転する引っ越しも
大詰めになってきました。
機械の設置は終了し今、材料や、家具の移動をしているところです。移転に伴って、電話番号も変わりますよね。
今までの工房の電話番号は偶然にも 011-792-2222 というぞろ目
だったんですよね〜。
実は、このぞろ目のお陰で仕事をさせて頂いた事もあったんですよ。
電話で家具のご注文を頂いた時、「別にどこでも良かったんだけど、
お宅の会社名が面白かったのと、電話番号がかけやすかったから‥」
なるほど〜。電話番号って重要だぁ。そこで今回もNTTの方に、「出来ればぞろ目をお願いしたいんですけど‥」
いくつかの候補を教えてもらったところ、残念な事に
5556, 5557, 5558 だったんですよね〜。ここで引き下がっては男が廃る!5555は誰が使ってるんだろう?
きっと移転先の小学校の近くのお宅のはず‥。そこで試しに5555にかけてみたんです。そしたら…
「お客様のおかけになった電話番号は、現在使われておりません。」
じゃないですか!!
すぐに担当の方に電話して、「5555空いてるみたいなんですけど‥」すると、以前どなたかが使っていて、解約して1年くらいは潜伏させとかなきゃ
いけないようで、使えない、ということでした。
せっかく空いてるのに、みすみす見逃す事は出来ませ〜ん。
「間違い電話がかかって来ても良いですから、5555を取ってもらえませんか?」執念が実り、晴れて5555をGet!!
新しい工房の電話番号は 0133-25-5555です。
11/4からこちらの番号に変わりますので、ご用の方はよろしくおねがいしま〜す。
それまではいままでの番号で通じます。新『旅する木』、Go!Go!Go!Go!(5555) と行きたいところですね〜。
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10/24 ”northern style 『スロウ』発売”
明日、”クナウマガジン”から季刊誌『スロウ』が発売されます。
僕がいつも楽しみにしている雑誌です。
一足早く、読んでいま〜す。
というのは、今回のスロウセレクションで、『旅する木』の
”乳歯入れ”と、”ring・リング”が紹介されているので、
編集者の方が送ってくれたのです。ワクワク、ドキドキしながら、目次をチェック!
100ページくらいに載っている事を確認したのですが、
何だかすぐに見れずに、1ページから読み進めて‥
「あっ、ラブフルートの小野さん、この前ホロトロピックのイベント
で、偶然隣に座って、良い話を聞かせてもらった人だ!」
「あっ、この木のパイプオルガン、見た事ある!」
なんていつの間にか夢中になって読みふけっていると、
突然毎日見ている”乳歯入れ”と、これまた見慣れている顔写真が‥「やばい!」何でか解りませんが、見てはならないものを見てしまった
ように、急いで次のページをめくると、何と次のページも!
見開き2ページも紹介してくれていました。(知らなかった!)覚悟を決めて読んでみると、その内容が、僕の思いをちゃんと
伝えてくれていて、写真もすごく雰囲気があって、
とても嬉しくなりました。
そして、取材の時の楽しかった時間を思い出しました。独立するずっと前から、『スロウ』を購読していたのですが、
その大好きな雑誌に、自分の工房と、作品が載っている事が
とても不思議で、幸せな気持ちになりました。おっと、そんな自己満足で終結してはいけないんです!
”スロウセレクション”という通販のコーナーなので‥。
もしお子様の乳歯がグラグラしてきたら、大切なお友達の出産祝いに、
お孫さんに、是非”乳歯入れ” or ”ring・リング”を‥
『スロウ』を通してご購入して頂けたら、嬉しいです♪
クナウマガジン『スロウ』のHPでの紹介はこちら*********************************
いよいよ来週から月末にかけて工房移転の引っ越しをする予定です。
先週末、機械場にする体育館の床を補強しに行ってきました。
木造の古い体育館なので、機械の重さや、振動に耐えられない
可能性があって、機械を配置する部分に、コンパネを敷き詰めました。体育館には、最後の卒業式の時に壁に貼ったのであろう、画用紙に
書かれた言葉や、校歌、子供たちの目標などが貼ってあります。僕がこの廃校を使わせてもらえる事になり、「少しでも良い環境で
須田さんを迎え入れたい。」と、剥がれかけた壁を塗り替えてくれたり、
雑品置き場になっていた体育館を掃除してくれたりしてくれている
地元のおじさん達は、みんな子供の頃、この学校で育ったんですね。ここを工房にするということは、そういう思い出も受け継ぐ事なんだなぁ。
と思います。なので、出来るだけそういうものは取らずに、
そのまま残しておこうと思っています。
一人、体育館の床に寝転んで、ボールの痕が付いた天井を眺めていると、
ここでどんな出会いがあり、どんな作品が生まれ、自分が思い描く
夢がどんな風に叶って行くのだろう。と新たな『旅する木』の出発に
ワクワクしてきます。ただ、その前の引っ越しの事を考えると、ちょっと憂鬱になったりして‥。
だってまだ何にも準備してないんだもん。
小学校の頃、学年で一番チビだったお陰で、運動会の最大の見せ場である、
組体操の大ピラミッドの頂点は僕だったんですよね。その時の快感が
忘れられなくて、その後の人生、”縁の下の力持ち”的な事が苦手なんです。という事で、引っ越しの為に荷物を段ボールに詰める、という地味な作業が
苦手て、ついつい先延ばしに‥。
って、関係ない?体育館に一人寝そべっていたら、そんな事を思い出しました。。
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最初にお詫びとして、今日のつむ通は長いです。そんなつもりは
無かったのですが‥。すみませ〜ん。昨日、札幌の『精進レストラン葉』で行われた”長岡式酵素玄米”の
講習会に参加してきました。長岡式酵素玄米?
なんでも、玄米を圧力鍋で炊いて、その後3日間発酵させて
頂くのだそうです。
酵素と有機ゲルマニウムの力で、とても体に良い、いやいや、
魂に良いのだそうです。オーガニック料理、マクロビオティックなどに興味のある妻の影響で
最近僕もちょっと関心を持つようになりました。まだまだそのスジの方
から見れば、まるで甘いのですが‥。。でも、以前精進レストラン葉さんで食べた”長岡式酵素玄米”は
単純に美味しかったので、参加してみたい。と思ったのです。講習会は、炊き方の実演なんだろうなぁ。と思っていたのですが、
最初の1時間は、”長岡式酵素玄米”とは何か?なぜ体によいのか?
などの説明でした。
その内容にとても驚き、一気に興味を持ちました。
なぜなら、つむ通でも度々触れているように、僕は”気”とか”心”、
”波動”など目に見えないものにとても興味があって、そのような本を
読んだりしているのですが、言っていること、内容が見事に一致しているんですね。大まかに言うと、体は心の結果なので、その結果だけを変えたり、治そうと
栄養や、健康法に気を使っても、なかなか上手くいかなかったり、
一時的に治っても、また姿形を変えて同じ結果を引き起こすのだと。
あくまで中心は”心”なんだよ。という内容でした。
先月、たまたま参加させていただいた”ホロトロピック”にしても、
全く同じ事を言っていました。”身の回りに起こる出来事は全て、自分の心が引き起こしている結果”
結果を変えるには、”心”を変える。そして、”心”は全てと繋がっているんだよ。
ということを、スポーツ、医療、経営、食事などその道を極めた方々が、
アプローチの仕方は違っても、行き着いた先は同じで、自分の経験を通して
同じ事を伝えているんですよね。
当たり前な事なのかも知れませんが、まだまだ未熟な僕にしてみると不思議で、
身の回りのいろんな場面で、密かに本当かどうか実験してみたりして、
楽しみながら、納得しているのです。今日も、同じ講習会をするということだったので、息子の面倒は僕がみて、
妻が聴きに行ってきました。食に関しては(強調?)、僕より妻の方がずっと
進んでいるので、講師の方の言っている事を僕より深く、実感的に理解している
ようでした。そして我が家では実験好きの僕と、マクロビオティック好きの妻の意見が
珍しく一致して、”長岡式酵素玄米”を取り入れてみよう!ということに
なりました。
精度を要求される炊き方は、おそらく僕が担当することになると思われ、
日記も三日坊主な性格なので、多少心配なところもございますが、
”モノではなく、命を頂く”という人間のもっとも基本的な原点を忘れることなく
続けていこうと、夫婦間だけではあまりにも心持たないので、皆様の前で
宣言させて頂き、退路を断とうと思います。(大袈裟?)おそらく明日、妻に「長すぎ!」と言われると思いますが、最後まで読んで頂き、
ありがとうございました。たまに僕に「続けてる?」とプレッシャーを
かけて頂くと嬉しいです。
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今日は今の工房での最後の木工教室でした。
(来月末に当別町の東裏小学校廃校跡地に移転するので‥)今回の制作物は”まるスツール”。
とても懐かしく、愛らしいデザインのスツールですよね。
参加者と一緒に来られたご家族含めると、16名にもなり、
いつになく、人口密度の高い工房となりました。この”まるスツール”は、機械作業が多いので、どこまで
やってもらうか迷っていました。特に女性の参加者が多かったので。
ところが、今回の参加者はとてもやる気と、勇気(?)がある方で、
僕がやる予定だった機械作業を、「やってみたい!」といことで、
やってもらうことにしました。
以外とみなさん無難にこなし、どちらかと言うと、機械作業より、
その後の仕上げの紙ヤスリの作業の方が大変そうでした。そうなんです。木工は、機械加工より、仕上げ作業の方が、手間と
体力が必要なんですね。そして最終的にこの仕上げ作業が作品の
善し悪しを分けるんですね。地味な仕事なんです。そんな地味な作業を乗り越えて、最後のオイル塗装をする頃には、
すっかりみなさん愛着が湧いていました。
旅する木の木工教室の一番伝わってほしい思いが伝わり、
嬉しくなりました。冷や汗をかいたり、明日筋肉痛になるほどこすったり、そういう思い
をして、かけがえのない、世界に二つとないものが出来るんですね。
そんな木工教室を、廃校に移ってからは、もっと積極的にやっていきたい
と思っています。
楽しく、大変な思いのもの作りを一緒に共有しましょう!
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昨日、『日高晤郎ショー』の”北の出会い”のコーナーで、『旅する木』
が紹介されましたね〜。
さすが晤郎さん、僕の行き当たりばったりの人生を、
感動的に伝えて下さり、泣きそうになってしまいました。(笑)
放送後、来週で『日高晤郎ショー』を卒業されるアシスタントの
早川さんからお電話を頂きました。
2週間前に早川さんが工房へ来れて、取材をしてくれたのです。
お電話で、「日高晤郎ショーでの私の最後の取材だったので、とても
思い入れがありました。」とおっしゃってくれて、嬉しくなりました。
来月移転する、当別の廃校にも遊びに来てくれるそうです。それにしても、自分の歩んで来た道を、晤郎さんの口調で客観的に
聞いていると、過去の全ての経験や、経歴が、木工人生としては、
遠回りだったのかもしれないけれど、今の自分にとって必要不可欠
だったんだなぁ。と思いました。これからもず〜と、立ちはだかる壁と、思い悩む選択ばかりの人生だと
思うけど(実際にはそれほど深刻には悩む事はないのですが‥
さらに本当のことを言うと、生まれてこの方、悩んで眠れなかった事は
一度たりとも無いんですが‥)どの道も自分で選び、選んだからには
ど真ん中からの正面突破でやっていこう!と改めて思いました。家族、特に妻は大変だと思いますが‥
まあ、それも妻が自分で僕を選んだのですから、仕方が無いですよね。
といつも、どんなことでも前向き(?)に考えてしまうのです‥。。
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先日の日曜日に、モエレ沼公園のガラスのピラミッドで
”ホロトロピック・ワールド・イン・サッポロ”といイベントが
行われました。
僕も、『木育』の紹介として、参加させて頂きました。このイベントは「意識の成長、進化」によって、病気や、社会の様々な
問題を解決していこう、ということで、”気づき”をテーマに、いろんな
方々が講演、展示、作品発表をしました。主催者の『響きの杜クリニック』の西谷さんとは、共通のお客さんを
通じて、面識があったのですが、今回、僕が出展するお話を、
全く別の方から頂いたり、個展で知り合った方から、「面白そうな
イベントがありますよ。」と連絡頂いた内容が、このホロトロの
事だったりと、まるで吸い込まれるように、このイベントに関わる事に
なったのが、とっても不思議でした。
僕自身、毎月定期購読している雑誌も、内容がすごくリンクしていて、
とても興味のある事だったんですよね。
不思議というより、必然なんですね。お話の内容で面白かったのが、「どんな名医が、病気を治しても、
患者さんの意識が変わらなければ、また姿形を変えて病気がやってくる。
逆に意識を成長、進化させれば、どんな病気も自分で治せるようになって、
やがては医者という職業がなくなる。」のだそうです。最近テレビでもよく末期ガンで余命宣告を受け、生き方、考え方を変え、
前向きに、ガンになった事も含め、周りの全てに心から感謝するように
なったら、いつのまにかガン細胞が消滅していた。なんて内容の報道が
されていますよね。こんなに壮絶で、極端な例でははないけれど、工房を始めてから
”心”や、”意識”が現実に与える影響を、実際に感じる事があり、
その度に、世の中って、実はものすごく単純で、うまく出来ている!
と思います。
良い思いは必ず良い結果を生み、その逆もまた然り。そして、自分自身は
誰も騙せない。
とすると、良い事を思い、良い事をするしかないですよね。
う〜ん、実に単純で、うまく出来ている!
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波の様な模様が”虎斑(とらふ)”
今日の『日高晤郎ショー』では、突然番組が変わったようで、
放送されませんでしたね。すみませ〜ん。ま、来週か再来週には
放送されるんだそうですので、気長に待つとしましょう!ところで『たびもっくんが今日も行く』のコーナーでも触れているのですが、
今、ナラの厚板を使った仕事をしています。
厳しい環境で育ったナラ材には”虎斑(とらふ)とうい模様が刻まれている
ものがあり、良いナラ材の特徴でもあるんですね。
僕ら家具職人が、奇麗な斑(ふ)の入ったナラのテーブルを見ると、
「いいねぇ!」と思わず言っちゃうんですよね。”斑(ふ)”といえば、”歩(ふ)”… なんのこっちゃ!
僕は高校時代、かなり将棋にハマっていて、休み時間や、
昼、弁当食べながら、いつも友達と将棋を指していました。
親には「アホか?」とよく言われましたが、家に帰ってからは
自分役と相手役を一人でこなし、いつも、最初は相手が優勢で、
最後で逆転する展開で、自分が勝つんですね。将棋には定石の様なものがあって、”ことわざ”になっていたりするんです。
その一つに”歩の無い将棋は負け将棋”というものがあって、
よく言っていたものでした。
将棋の駒の中では、”歩”は一番弱いというか、地味なものですが、
馬鹿にせず、持ち駒にいつも”歩”を持っていなさい。というものなのです。ナラ材を扱う時、”斑(ふ)”を見ると、いつも頭の中で「”歩の無い将棋は…”
よかったねぇ、斑が入っていて。」と思っちゃうんです。
もう一つ”金底(きんてい)の歩(ふ)”将棋の駒の”金”の弱点は真下なんですね。
その弱点に、味方の”歩”を置いてあげると、”鬼に金棒”なんです。
これも、加工しながら、お客さんの名前を使って「○○邸の”斑(ふ)”」
「よかったねぇ、斑があって。これで○○さんも鬼に金棒!」なんて
言いながら加工してるんですね。プロでもないのに、将棋を通して、学んだ事は多いんですよ。
それぞれの駒には、長所と弱点があって、お互いにそれを関連つけて
補っていく。攻めも守りも上手くそれが出来る人が強いんですね。
これって幸せな生き方、人との関わり方、そのものですよね。
う〜ん、奥が深い!
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一昨日ですね、北海道では有名で、人気のあるラジオ番組、
『日高晤郎ショー』のアシスタントをされている、早川舞子さんが
工房へ来てくれて、取材を受けました。
とても可愛い方でしたよ〜。普段僕はFMを聞いているのですが、前の職場にいた頃、
隣で仕事をしていた職人さんが『日高晤郎ショー』のファンで、
毎週土曜日、聞いていたんですね。
最初は正直なところ、「なんだ、この傲慢、高飛車オヤジは!」
と思っていたのですが、毎週聞いているうちに段々ハマって来て、
人情味あるトークにこっそり涙した事もあったりして‥
今では土曜日になるとわざわざチューニングして聞く事も。生放送ではなくて、早川さんが取材し、原稿にしたものを、
日高晤郎さんが読んでくれるという事で、とてもリラックスして
話しが出来ました。
早川さんがとても聞き上手、褒め上手で、とても可愛い声で
褒められると、すっかり有頂天になってしまうアホな僕は、
高倉健に憧れつつ、全くなりきれず、なんだかんだ話しているうちに、
あっという間に3時間が過ぎてしまっていました‥(反省)夜、お電話を頂き、妻とも話をしていました。
3時間も話せば、伝えた事の300パーセントは伝えられるだろうけど、
妻は取材が初めてで、短時間だったので、電話を切った後、
「あ〜、こう言えば良かったぁ‥」「こういう事を言いたかったのに〜。」
と後悔していました。今週土曜日の4時前後に放送されるそうです。
僕のとりとめもない話を、早川さんが上手くまとめてくれて、
日高晤郎さんが深く味のあるしゃべりで話してくれると思います。
良かったら、聞いてみて下さい。
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ご存知で、ファンの方も多いと思います。『スロウ』という雑誌。
僕も大好きな雑誌です。
雰囲気といい、内容といい、写真、構成、どれもセンスがあって、
とっても惹かれる雑誌で、いつか『旅する木』も『スロウ』に載せて
もらえる様な工房になりたいなぁ。っと思っていたその思いが通じたのか、
連絡を頂き、今日、取材を受けました。。。妻に、「スロウ編集部の人が来るから、手作りケーキ作っといて。」
とお願いし、工房も、ちょっと片付けたりして。
「しまった!床屋行っときゃよかった‥(結婚してからいつも髪は妻に
切ってもらっているので、床屋なんてほとんど行ってない)。」
などと、ちょっとそわそわしていたりなんかして。取材を受けているときも、何だかとても嬉しくて、
あること、ないこと‥いやいや、いらないことなどべちゃくちゃ
2時間以上もしゃべって、勝手に盛り上がって、とっても楽しい時間でした。
せっかくの手作りケーキの味も、今思うと、覚えてないですねぇ‥。
どんなんだったっけ?ちょうど当別へ移転をしている時、10月の終わり頃に出版されるそうです。
是非、ご覧になって下さい。『旅する木』のところはさておいて、
素晴らしい雑誌ですよ〜。
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お盆休み、7年振りに実家の長野に帰りました。
高校の同級会を、友達が幹事でやることになり、
「絶対に帰ってこい!」ということで‥両親は北海道に遊びに来るので、会っていたのですが、
高校までを過ごした実家は久しぶりでした。僕の実家は時計や携帯電話の精密部品を作る町工場をやっています。
久しぶりに、休みで誰もいない工場に入ると、プレス機械や、金型が
ズラッと並んでいて、鉄と油の匂いがしました。
「ああ、この匂いだったな。」遠い遠い記憶が甦ってきました。僕が生まれるちょっと前に父は独立し、借金をして工場を建て、
母共々仕事をしていたので、僕は赤ん坊の頃、段ボールに入れられて、
母が仕事しているプレス機械の横で寝ていたんだそうです。
お陰で今でも、どんなに回りがうるさくても、熟睡できます‥。。小学生の時は、納品を手伝ったり、中学、高校では、小遣い稼ぎに
”けとばし”という小型の機械を使って手伝ったりしていたんですね。夕飯の準備が出来て、内線の電話で父に知らせるのが僕の役目で、
その知らせを聞いて、しばらくして真っ黒い手で父が入ってくると、
やっぱりこの、鉄と油の匂いがしたものでした。
いつの間にか、職種は違うけれど、父と同じような道を歩みつつある僕の
原点がここにあるような気がしました。そして、僕は慣れてしまって気が付かない、工房の匂いとか、雰囲気とか、
道具とかから、子ども達は何を感じているんだろう?と考えていました。将来、子供達が人生の岐路に立った時、言葉ではなく、遠い昔に感じた事が
ヒントなり、道しるべになる、もしそんなことがあるのだとしたら、
それはなんて心強いメッセージなんだろう。
こんな事を思っている僕は、随分年をとっちまったなぁ。と思いつつ、その晩
20年振りに会う同級生の顔は、先生と女性を除いて(笑)、昔のまんまで
ホッとしました。
*********************************作品はこちら
インターネットと携帯電話は、僕らの生活と世界を
良くも、悪くも大きく変化させましたよね。インターネットがなかったら、あり得なかった出会いです。
ニューヨークにお住まいのアメリカ人からメールが来て、
仕事をさせて頂くことになった話は、触れたかと思います。作品はとっくに出来ていたのですが、ご本人が作品を見に来る、
ということで、了承を得るまで、HPでの公開はしないでいました。
その方(ボブ)が、先日、わざわざ工房まで来てくれたのです。作品の写真はメールで送っていて、とても喜んでいたのですが、
実物を見て、「写真の方が良かったなぁ」なんて思われたらどうしよう!
など、ちょっと心配していたんですね。
でも、工房に並べられた家具達をご覧になって最初に出た言葉は
「Perfect!」
後の言葉はよく解らなかったけれど、家具を見て、触って、座っては
親指を立てた拳を僕に向けてくれました。
「船便で1,2ヶ月待てないから、持って帰りたい。」っと
言ってくれました‥たぶん??今、梱包作業をしているところです。
家具の海外輸出なんてしたことないので、手続きの書類作成や、手配、
念入りの梱包など、初体験なことばかりです。知らなかったのですが、家具を梱包する、梱包材に木を使う場合、
外虫除去のための加熱処理をしなきゃいけないんです。中身の家具は
しなくて良いのですが…。よーし、これで海外からどんどん注文が入っても大丈夫だぞ〜!
ってそんなことめったにあるわけないか?ボブのNYのマンションからは、マンハッタンの夜景が
一望できるのだそうで、その大きな窓のあるリビングに、旅する木の
家具が置かれるんだそうです。
「家具が入ったら見においで。」っと言ってはくれましたが、ねぇ‥
出来ることなら、2.4メートルもあるワインを入れるボードの
中にでもこっそり入って行きたいものです。それにしても、旅する木の家具が、NYに旅することになるとは
想像もしていなかったなぁ。いつか納まった姿を見てみたいなぁ。
とりあえず、異国の地で喜ばれてこいよ〜。いつか会いに行くからね〜。
と声をかけながら梱包しています。*********************************
先週の金曜日から、昨日まで、道北の中頓別に仕事で行ってました。
”木育”の講師を頼まれ、木の話や、my箸・myスプーン作りを
してきました。中頓別の廃校になった小学校を、自然体験学校として利用しようという
道と、町と、NPOが協力して取り組んでいる”そうや自然学校”という
ところで行われました。中頓別が近づくに連れて、新緑の森、放牧用の草原、真っ直ぐの道路、
たま〜にすれ違う車、車の窓を全開に気持ちの良いドライブを
楽しみました。道中、鹿の家族や、シマリスにも出会いました。さて、肝心のお仕事ですが、『先生』なんていわれることは全く初めてで、
上手くできるか心配だったのですが、このようなイベントに参加される方々は、
やはり”木”が好きな方で、僕の持論”木の好きな人に悪い人はいない(?)”
の法則がピッタリと当てはまり、すぐに緊張も解け、和やかな雰囲気で
進められました。一日目は実際に森に入り、木と、自然の音、空気を感じるプログラムで
二日目に手作り体験をしたのですが、生まれて初めて、もしくは
何十年ぶりにカンナを使っての箸作りを楽しんでいました。
その箸で食べたお昼ご飯は美味しかった!!特に面白かったのはスプーン作り。7/15日のつむじ風通の写真
のように、大まかなスプーンの形に切り抜いたものを、皆さんに
彫刻刀で自由にスプーン作りをしてもらったのですが、いつの間にか
真剣に、黙々とものすごい集中して削ったり、擦ったりしていました。
出来上がったスプーンはまさに十人十色。様々な個性豊かなスプーンが
完成しました。そのスプーンで何かを食べることは教えていたのですが、その”何か”が
アイスだということを教えていなかったので、中にはアイスを食べるには
いかにも不向きなスプーンも‥
それでも苦労して作った自分のスプーンに皆さん愛着を持ったようでした。そんなこんなで、アッという間の二日間が過ぎて、皆さんから、
「こんな夢中になったのは久しぶりだった。」とか「充実した楽しい
二日間だった」など喜びの感想をいただきました。
僕自身、初めての講師という仕事を経験させて頂いて、本当に楽しく、
思い出に残る時間を過ごさせてもらい、感謝しています。まだ発足して間もない”そうや自然学校”が益々充実して、
人が集まり、元気な中頓別になっていけばいいなぁ。と思います。
その過程の中で協力しあいながら、また何かできたら嬉しいなぁ。
と思いながら、気持ちの良い帰りのドライブを楽しみました。*********************************
上の写真は何だと思いますか?
そう、スプーン。
正確にいうと、スプーンになるであろう木。個展が終わってホッとする間もなく、7月、8月の週末は
全て予定がつまっています。本当は個展まで休みなく仕事していたので、
家族で温泉でも泊まりながら行く予定でいたのですが‥どんな予定かというと、『木育』関係の講師の仕事です。
『木育(もくいく)』とは、
木を身近に使っていくことを通じて、人と、木や森との関わりを主体的に
考えられる豊かな心を育むこと。ということで、北海道で生まれた言葉なんです。僕は『木育ファミリー』の会員にはいっており、いろんな団体から
木工関係のイベントを頼まれるので、その講師として、声がかかるのです。
ほとんどボランティアに近いのですが、これも旅する木の使命だと思い、
また、”頼まれごとは断るべからず”という精神に基づき、引き受けていたら、
いつの間にか全ての週末が埋まってしまいました。先々週は児童会館でmy箸作り、先週は工房で木工教室、今週は中頓別でmy箸、
myスプーンの手作り、7/26は道新文化センターでmy箸教室、7/27は
さとランドでキャンドルスタンド作り、8/2は道新文化センターでファイターズの
折れたバットでmy箸作り‥などなど、先日、妻のそよかぜ通信にも書いてありましたが、うちでは、身の回りに起こる
全ての出来事(結果)には意味(原因)があり、メッセージを持っていると
考えていて、この様に立て続けに起こるということは、きっと強いメッセージ
なんだと、それが何なのか、今は解らないけど、とりあえず、出来ない理由を
言わず、流れに身を任せようと思っています。そうすれば、きっと何かが
見えてきそうな気がするんですよね。と格好つけてみたものの、、キャンドルスタンドはデザインも何も
まだ考えてないんですよね。試作もしなきゃならないし。
仕事もたまってるし‥むちゃくちゃヤバイ!どうしよう。Help me!!
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個展が終わり、お待ち頂いていたお客様の家具と
明後日の木工教室の製作するスツールの準備に追われています。
個展で発表したお陰で、木工教室の参加者も定員をオーバーしており、
一人で大丈夫だろうか?っと、ちょっと心配しております。ところで、個展の最終日、ちょっとしたハプニングが‥
僕の実家の長野県から母親が突然やってきたのです。
個展をやることは知らせておいたので、来ようか迷っていたのです。。
僕は「せっかく来ても、どこかに連れて行くことも出来ないから
来なくていいよ。」と言っていたので、来ないものと思っていたのですが、
やって来たんですね。しかも一人で。実は僕の母親というのは、かなりの心配性で、僕が大学に入り、
親元を離れ一人暮らしをし始めた時も、毎日のように「今日は何を食べた?」とか
電話をかけてくるのです。僕の部屋は部活(サッカー部)の仲間の
たまり場になっていたので、恥ずかしくて素っ気なく切ったものでした。
信じられないと思いますが、独立した時も、両親には事後報告でした。
きっと予想以上に心配して、血圧上がって、倒れてしまうと思ったので‥(笑)。なので、母親は息子がどんな家具を作っているのか、ましてや、個展なんて
やって、本当にお客さんが来てくれるものなのか、どうしても気になった
んでしょうね。最終日ということもあり、多くの方、特に真剣に家具を探している方が
来て下さり、本当に母親の相手が出来ない程だったんですね。
そのまま搬出に突入し、工房で家具を降ろし終えた時は、夜11時を過ぎていたので、
ほとんどたいした会話も出来なかったのです。次の日ちょこっと案内をしてそのまま長野に帰ったのですが、僕としては、
「初めて息子の家具を見て、お客さんもたくさん来ていて、絶賛してくださる
方もいて、きっと安心して帰ったんだろうなぁ。」と思っていたら、
着いたよ電話で、「重たい家具を一人で作って、持ったり、運んだりしてると
思うと‥(涙)」あたたたた、そうくるかい!?どんな仕事だって、楽しいこともあれば、
苦しいことだってあるんだし、自分達だって、さんざん苦労してやってきたのに、
やっぱり息子には苦労させたくないんでしょうね。それに引き替え、父親の口癖で、いつも聞かされていた言葉は、
「若いうちの苦労は買ってでもしろ!」
そして、今回の個展の際も、「どうせ行ったって、家具が並んでるだけだろ?」ああ、僕の性格がこの両親を、ちょうど足して2で割ったものでありますように‥
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無事個展が終わり、引き下げてきた家具たちを
トラックから降ろし終えた時には、すでに夜11時を
回っていました。搬入、搬出を手伝ってくれた友達と、パンを食べながら、
「なんか、祭りの終わった後のような気持ちだなぁ。」と
ホッとしたような、淋しいような、言いようのない
気持ちになりました。個展に来て下さった方々、本当にありがとうございました。
想像を遙かに上回る多くの方々に『旅する木』の家具を見て頂き、
また、ご注文も頂き、とても嬉しく思います。
そして、何より、「良いモノを見させて頂きました。」
「とっても幸せな気持ちになりました。」「なんだかやる気が
出てきました!」「いつまでも座っていたいわ。とっても
くつろげる。」など、嬉しい言葉や、メールを頂けたことが、
僕自身、この上ない幸せな気持ちになりました。今回の個展のテーマ、『ありがとう』の家具、ということで、
『ありがとう』という言葉をさり気なく家具の中に彫り込んだ
のですが、気が付かなかった方に教えた時の反応や、
自分で発見した時の様子なんかを、密かに楽しんでいました。『旅する木』は今後もこの『ありがとう』の気持ちを大事に、
喜ばれるものを作っていこう。そして、使ってくれる方に、
豊かな心と、幸せな気持ちを感じてもらえるような家具を
作っていこうと。と思いました。個展に来て下さった方々、そして、個展の準備の際、
お手伝いをして下さった方々、遠方よりお花を届けて下さった方々、
本当にありがとうございました。心より感謝の気持ちを込めて‥。
札幌のすぐ隣の田舎町、田園風景ど真ん中の小学校
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